北極はホットスポット!トランプ大統領「グリーンランド買収」の驚くべき背景 (2/2ページ)
また、北極航路が利用されれば、欧州〜アジア間の距離はスエズを経由するより40%も短縮される。物流上大いにプラスなのだ。ベーリング海でのカニ漁のような漁場の拡大もメリットとして想定されるが、こちらは2017年に関係各国が合意して最低16年間は禁止することとなった。
さらに、北極は位置としては“地球の天井”にあたる。ここに兵力があれば周辺各地に速やかに軍事展開できる。各国は既に軍事力整備にも着手している。日本財団系のシンクタンクが報告書をまとめたのもこうした背景があり、政府に政策提言を行うためだったのだ。
国土を購入すること自体は、じつは過去にもあった。米国は1803年に仏領ルイジアナをフランスから買った歴史があり(現在のルイジアナ州)、1867年にはロシアのロマノフ王朝からアラスカを購入している。グリーンランドについては、1946年に米ソ冷戦に備えて当時のトルーマン米大統領がデンマークに買収を持ちかけて断られたこともあれば、2016年には中国がやはりグリーンランドを購入しようとしたこともある。
今年5月には、既にマイク・ポンペオ米国務長官がこの地域を、「世界の力と競争がぶつかり合う舞台」と評していた。この寒冷の地は、世界のホットスポットなのだ。
(猫間滋)