報道番組のキャスターを務める芸能人が増えている。特にジャニーズ事務所の所属タレントは、嵐の櫻井翔（３７）が２００６年から『ＮＥＷＳ　ＺＥＲＯ』（日本テレビ系）の月曜キャスターに就任したことをきっかけにキャスターとして活躍する人が増えているが、ＮＥＷＳの小山慶一郎（３５）は不祥事を起こしたことで、キャスターを降板してしまった。今回は小山をはじめ、芸能人キャスターのやらかしエピソードを集めてみた。

　小山は１０年４月から『ｎｅｗｓ　ｅｖｅｒｙ.』（日本テレビ系）のサブキャスターに就任し、週に１度、レギュラー出演していた。１４年１月からは月曜から木曜のメインキャスターを務め、自らニュースの現場を取材するなど、積極的に報道に取り組んでいた。しかし、昨年６月に未成年の女性と飲酒したと一部で報じられ、同月７日に活動自粛処分を受けた。同２７日から芸能活動を再開したが、キャスター業は引き続き自粛。１２月１９日に番組内で降板することが発表された。

　現在、小山は健康バラエティ番組『小山慶一郎の健者のＢＯＲＤＥＲ３０～専門医が導く健康への分かれ道～』（ＴＯＫＹＯ　ＭＸ）でＭＣを務めている。さまざまな分野の専門医を迎えて健康についての知識を学んでいくという内容だが、自身は健康というより筋肉を鍛え上げることに夢中らしく、ジムに週に４、５回通っているという。ニュースへの興味はなくなってしまったのだろうか？

　安藤美姫（３１）はフィギュアスケートの競技生活を１３年１２月の全日本選手権を最後に引退。スケート以外に新たな活躍の場を広げるため、１５年に北海道・札幌で開催されたＦＩＳジャンプワールドカップで、日本テレビ系の関連番組のスペシャルキャスターに就任。競技を終えた直後の選手にインタビューする、現地レポーターを務めた。

　しかし、ほぼ知識ゼロの状態で仕事を引き受けていたため、噛みまくりのうえに、意味不明なコメントを連発し、選手を困惑させてしまう。当時のことを安藤は今年７月３１日放送の『出川哲朗の恥の王様～恥の数だけ人生は豊かになる～』（ＭＢＳ）で、「自分がフィギュアスケートしかしてこなかったことを反省しました。それ以来、どんな仕事でもあらかじめ勉強してから臨むようになった」と振り返っていた。

■市川紗椰は本人も苦痛だった？

　モデルでタレントの市川紗椰（３２）は、１６年４月から『ユアタイム～あなたの時間』（フジテレビ系）のメインキャスターを務めていた。しかしパートナーを務める予定だったナレーターでタレントのショーンＫ（５１）の経歴詐称が報じられて出演が取り止めになってしまい、やむなく市川が単独でキャスターを務めるという、不本意な番組スタートとなった。

　キャスター初挑戦について市川は、同年６月５日放送の『おしゃれイズム』（日本テレビ系）で、「キャスターというのは修業を重ねた職人たちなので、私がそういうのは失礼だなと思ってます」と、自身はあくまでもＭＣであり、キャスターとして力不足であると語っていた。また、番組は１７年９月で終了と短命に終わったが、その後の市川はバラエティ番組などに出演すると、キャスターのプレッシャーから開放されたように鉄道やアニメなど、自身のオタク趣味について笑顔で語っている。

　タレントで女優の佐藤美希（２６）は、１８年開催ＦＩＦＡワールドカップ・ロシア大会で、ＮＨＫの関連番組のスタジオキャスターを務めた。佐藤は連日のようにスタジオ出演し、番組進行を務めていたのだが、手元の台本を見ながら話そうとすると噛んでしまうことが多く、次のコーナーに進める言葉に詰まってしまうことも。

　また、ゲストや選手の名前を言い間違えたとき、ＮＨＫのアナウンサーがフォローに入っても悪びれた様子もなく話を続けるなど、キャスターとして疑問の残る言動を連発。さらに、ゲスト解説の元日本代表・森岡隆三（４３）に、２大会前の１０年開催「南アフリカ大会」で優勝しているスペインについて、「なぜスペインが優勝から遠ざかっているのか」など的外れな質問をしてしまい、ＳＮＳ上では佐藤の降板を求める声が相次いだ。

■あの大御所は芸能人キャスターを擁護

　さまざまなやらかしで批判を浴びている芸能人キャスターだが、ジャーナリストの池上彰（６９）は、オピニオンサイト『ｉＲＯＮＮＡ』で、芸能人がニュースを伝えることを擁護している。池上は「違和感を禁じ得ません」としつつも、「テレビ番組は視聴者に見てもらってナンボという世界ですから、視聴者に親しみやすい演出を考え、若い女性や人気タレントを出演させることになる」と、芸能人がキャスターを務めることの効果に理解を示していた。

　ニュースの現場で取材経験を積み、専門的な知識を身につけたキャスターも必要だが、やらかしに目をつぶりつつも視聴者確保のため、今後も報道番組には芸能人キャスターが必要なのかもしれない。