『ニッポンノワール』と『3年A組』リンクさせた日テレの戦略 (2/2ページ)
というのは、ここのところ日本テレビドラマの奇抜演出が、見事に光っているのだ。
今クールで生田斗真(35)主演の『俺の話は長い』は、30分×2本のいわゆる「サザエさん形式」を導入。気軽に見られるドラマとして話題になっている。これは、『ZIP!』内で放送されている短編ドラマ『生田家の朝』に関しても言える。誰でも楽しめる短時間ドラマという、新しい試みが受けているのだ。
そうかと思えば『あなたの番です』では、2クールぶち抜きで半年間放送し、視聴者を釘づけにした。さらにこの『ニッポンノワール』では、過去のヒット作と設定を同じくし、既存の視聴者をそのまま取り込もうという動きも見られる。
■『ニッポンノワール』はドラマの最新形
「気軽にサラッと」と「ガチファンも納得」という二刀流。この日テレの試みは、今後のドラマトレンドになるかもしれない。日本テレビは子会社の動画配信サービス、huluで過去作やスピンオフドラマを独占放送している。こちらに視聴者を引き込みたいという思惑もあるだろう。『ニッポンノワール』から入ったファンが、huluで『3A』をあらためて見るというのが、おそらくもっともうれしい流れだ。奇抜な設定と思いがちだが、実はビジネスを考えた仕組みなのだ。
商売っ気がある戦略ともいえるが、これぞ今のドラマのあり方なのだろう。ライトユーザーには「見やすい」を提供し、コアファンには「ディープな世界」に浸ってもらう。高視聴率が望めない時代にあって、これは理にかなったやり方なのだ。なにより『3A』のダークだが、どこか温かみのある展開という世界観が、再び見られるのはドラマファンにはとても喜ばしい。『3A』を見ていない人でも十分に楽しめる作品なので、まだ見ていない人はぜひチェックしてほしい!(ドラマライター・半澤則吉)
※画像は日本テレビ『ニッポンノワール-刑事Yの反乱-』番組公式ホームページより