謎に包まれた死。幕末の美男役者・八代目 市川團十郎はなぜ32歳で自殺したのか?その4 (2/3ページ)
幕末の美男役者・八代目 市川團十郎はなぜ32歳で自殺したのか?その3
神経質で曲がった事ができない性格誰に対しても心優しく義理堅く、多くの人に好かれた8代目市川團十郎でしたが、神経質なほど倫理道徳を遵守し、筋の通らない事は絶対にできない潔癖症な一面もあったとか。
こんなエピソードがあります。
弘化元年、8代目團十郎が22歳で初めて助六をやる事になった時の事。敵役の髭の意休を演じる5代目松本幸四郎の頭に下駄を乗せて嘲笑する場面が、人としての倫理に背くためどうしてもできないというのです。
幸四郎本人が「役の中での事だからやってくれ」と頼みますが、「人の頭、ましてや尊敬する幸四郎の頭に下駄を乗せるなど、到底自分は許す事は出来ない」と誰が説得しても聞く耳を持たず、ついに幸四郎が折れて、その場面はカットになったのです。
こうと思った事には融通が利かず、1つ心にひっかかると深く悩み、夜も寝付けないというような性格だったようです。
死にいたる経緯こうした真っすぐすぎる性格や、前回までに紹介してきた生い立ちや境遇の複雑さが、彼が死にいたる経緯の根底にあったと考えられます。
