森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★EU離脱は性格の不一致 (2/2ページ)

週刊実話

もしイギリスのEU離脱で、アイルランドと北アイルランドの間に、人やモノの自由往来を妨げる国境が作られれば、再び独立運動を招きかねない。今回の離脱交渉の最大の焦点は、そこだった。

 ドイツのメルケル首相は、「北アイルランドだけ、EUの関税同盟に残ればよい」と直前まで主張した。しかし、それはジョンソン首相にとって飲めない条件だ。そうした一国二制度を認めれば、香港のように北アイルランド独立の動きが始まる恐れがあるからだ。

 結局、今回の合意では、北アイルランドも含めてイギリスはEUの関税同盟から離脱するものの、北アイルランドが実質的にEUの関税同盟下にあるのと同じ体制を作ることで、アイルランド島内の国境をなくすことにした。イギリスは、実を捨て、名を取ったのだ。

 領土問題は、国民にとって最大の関心事だ。当初、評判の悪かったマーガレット・サッチャーの構造改革策が実現したのも、フォークランド諸島をサッチャーが奪還したからだ。ジョンソン首相も、そのことを十分分かっているのだ。

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