連続テレビ小説『スカーレット』（ＮＨＫ）が面白い！　戸田恵梨香（３１）が１０代のヒロイン、喜美子をいきいきと演じていて、笑いどころも泣きどころも多い。実に朝ドラらしい朝ドラとなっているのだ。ここでは１１月２日の放送を振り返り、今後の注目ポイントを考えてみたい。

　ジョージ富士川（西川貴教／４９）のイベントで草間（佐藤隆太／３９）と偶然の再会を果たした喜美子。草間は戦中に生き別れとなった妻が生きていることを喜美子に告げ、２人は草間の妻がやっている飲食店に行くことを決める……という展開だった。

　西川貴教の登場、そして佐藤隆太の再登場がドラマを盛り上げたが、この放送で話題となったのが、「次週予告」で登場した喜美子の妹、直子役の桜庭ななみ（２７）だ。桜庭のセーラー服姿にツイッターでは「おおおお！　次週、いよいよ桜庭ななみちゃん登場！」「直子、天使のようにかわいい」と、その登場を喜ぶコメントが相次いだ。『スカーレット』は若手キャストが極端に少ない朝ドラだけに、桜庭ななみは待望の若手キャストといえるだろう。

　桜庭ななみといえば最近は鈴木亮平（３６）が主演した、大河ドラマ『西郷どん』で、家族思いでけなげな西郷隆盛の妹役を見事に演じて話題になった。実は桜庭とＮＨＫの関係は深い。デビュー直後の２００９年には、早くもＮＨＫで主演ドラマ『２つのスピカ』が作られ、その後も深田恭子主演の『サイレント・プア』、石田ゆり子（５０）がヒロインを務めた『コントレール〜罪と恋〜』といった注目作に起用され続けてきた。そして昨年の大河に今年の朝ドラだ。２年連続のＮＨＫ看板枠へ起用とあって、桜庭ななみは今、ＮＨＫいち押し女優の１人といえるだろう。

■土屋太鳳、杉咲花に続けるか

　朝ドラは意外にも今回が初の出演となる桜庭だが、『スカーレット』制作発表の場において、「（直子は）次女の“あるある”が詰まっている。実際の生活を生かしながら演じたいと思います」と語っていた。子ども時代の直子はなかなかキャラが濃かったが、中学生になった直子をどう演じるかに注目しておきたい。というのも、朝ドラヒロインの妹たちは、ここのところ大出世が続いているのだ。

　１４年『花子とアン』で花子の妹、ももを演じた土屋太鳳（２４）は、翌年『まれ』でヒロインに。そして１６年『とと姉ちゃん』の三女の美子を演じた杉咲花（２２）は、来年下半期の『おちょやん』のヒロインに決定した。そうなると今後、ＮＨＫのいち押し女優、桜庭ななみがヒロインに出世することも十分にあるだろう。

　声優に挑戦し、桜庭の知名度を一気に高めたアニメ映画『サマーウォーズ』から１０年。ヒロインを演じ、さまざまな映画賞を受賞した映画『最後の忠臣蔵』から９年。あの頃は可憐な美少女という印象だったが、２７歳となって大人の女性も演じられるようになった今、そろそろ次の代表作がほしいところだ。『スカーレット』ではぜひ、桜庭ななみの女優魂をぜひ見せていただきたい！（朝ドラ批評家・半澤則吉）

※画像はＮＨＫ『スカーレット』番組公式ホームページより