中川大志『G線上のあなたと私』40代ファンを急増させたツンデレ忠犬ハチ公

日刊大衆

中川大志『G線上のあなたと私』40代ファンを急増させたツンデレ忠犬ハチ公

 最終回に向けて怒涛の展開が続く、2019年の秋クールドラマ。その中でも視聴率は高いとは言えないものの、なにかと胸をザワザワさせてくれるのがTBSの火曜ドラマ『G線上のあなたと私』だ。

 とにかく、理人を演じる中川大志(21)がいい! 愛想は良くないし明るさもないけれど、素直に自分の気持ちを言い、なんだかんだと也映子(波瑠/28)との時間外の練習にもつきあってくれる。自分の恋愛を話のダシにされて笑われても、ちゃんと後日談を聞かせてくれる。ツンデレな忠犬ハチ公みたいで、愛しくてたまらない。中川大志の育ちの良さを感じるルックスとたたずまいは、「習い事をすれば、彼のような、息子でもなく会社の後輩でもない、『若い友達』ができるかも!」という希望を、ちょうどいい温度で見せてくれる。

 中川大志といえば、『重版出来』(TBS系)のまっすぐな大塚シュート役が大好きだった私としては、今回のウジウジ大学生役は初回こそ「どうだろう」と、かまえて見た。が、見た瞬間、「ハイ胸キュン!」となり、今や1週間に1回、彼の憎まれ口とふくれっつらを拝みに、そそくさと開始10分前にはテレビの前に鎮座しているほどになった。私のようなアラフォー・アラフィフ女性も多いのではないだろうか。オバハンを味方につけた、中川大志の未来は明るい。

■中川大志を引き立たせる波瑠のウザさ

 そして、彼の好感度を上げる要素にもなっている、もうひとつの見どころは波瑠のウザさである。さすが『あなたのことはそれほど』(TBS系)のスタッフ。波瑠を面倒くさい女に仕立て上げるのが、抜群に上手だ。彼女が演じる主人公の也映子は、良く言えば正直だが、感情表現のコントロールがきかない、かなり痛いタイプとも言える。「やめないでよぉ~、3人でバイオリン続けようよぉ~」の大号泣は、リアルに20代後半の女性が居酒屋でやった日にゃ、次の日から連絡先をブロックされてもおかしくない状況だ。

 しかもあの号泣から、やたらと也映子が理人の前で愚痴を言い、泣くシーンが増えた。居酒屋、カラオケなど場所を変えつつ、2人がうだうだ泣いて笑っている場面が長くなっていき、周りを考えず泣いたり叫んだりする也映子にイライラしてきたのも事実だ。

 最終回に向けて也映子と理人の関係が動きそうだが、正直、2人が両想いになる展開など求めていない。もっと言えば、恋愛要素なんてどんどん薄くなってくれればいい、とさえ思っている。理人が酔っ払って也映子に対し、壁ドンならぬガレージドンをした回だって、萌えるどころか「欲しいのはそんな展開じゃねえんだよー」と叫んでしまった。そんな人は少なからずいると思う! 

 ここ数回は、ひたすら幸恵さん(松下由樹/51)不足だ。彼女が也映子と理人の真ん中に立ってこそ、その素晴らしい距離感を見て楽しめるのである。イチャイチャよりも、3人コンサートに向けて、世代の違う3人が「友達」として愚痴と迷いを吐露しつつ、ガーコガーコとバイオリンに奮闘するシーンを待つ!(田中稲)

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