町内会が仕切り近隣という理由だけで親しくもない人が数多く参列した半世紀前の葬儀 (2/2ページ)
しかしながら、昔の葬儀では喪主の世間体や町内会への見栄もあり、両隣を超えた広い範囲に及んで供花を飾りたいという気持ちも働き、葬儀費用は膨らみがちだった。そこでその膨らんだ葬儀費用を補填してくれたのが、大した関係性もない人らも含めた大量の香典だった。
■半世紀前の葬儀にもう戻ることはないだろう
50年前なら、都市部でも相互扶助の精神が強く残り、葬儀を町内会の重要行事の一つとして捉えていた。それが今は個人主義、プライバシー意識の高まり、ご近所との人間関係の希薄化で、町内会の組織力は弱まり、葬儀の真の主体が本来の喪主になってきた。そしてこれは主体が変わっただけでなく、その他の点でも劇的に変わっており、今となっては半世紀前の葬儀は見る影もない。半世紀前の葬儀が悪いというわけではないが、当時の葬儀に戻ることはないだろう。