スピッツが教えてくれる「変化」することの喜び (2/3ページ)
しかし、いかんせんまだ恋愛の経験は浅く、孤独で心にも余裕がないため、他人の恋愛観にも厳しかったわけです。
ただ、学生数が多い大学に入れば、話が通じる人やわかり合える人にも出会えるはず! との予想が的中したタイミングでもありました。
心がほぐれてきた自分。気持ちを新たに、これまでなら「合わなさそう」と決めつけていたタイプの人たちにも心を開いて接してみました。
すると、自分の感じ方も、自分に対するまわりの反応も変わっていきました。わかり合えない部分もあるけれど、わかり合える部分だってある。ふれ合ってみることで「いい人だな」「嫌いじゃないな」と思えることがあると。
つまり、自分が孤独なのは「自分が心を閉ざしているからだ」と気付いたのです。
そんなふうに自分を開いていくうちに、「誰かにわかってもらいたい」気持ちよりも「誰かをわかりたい」気持ちが強くなっていきました。自分が誰かをわかってあげられたらいいな、受け止められたらいいな、と。
剣山のように尖っていた心が、スポンジのように柔らかくなっていった感じです。
■変化する喜びを教えてくれたスピッツ
そうなってくると、音楽の聴こえ方も変わってくるわけで(やっとたどり着きました笑)。前述の「子供の目で僕を困らせて」にもイラッとしないし、「好きな人の子供みたいなところに手を焼かされるけど、同時にそこが好きだったりもするよね」と昔とはちがう感想を抱くようにもなりました。
もともとそのフレーズだけが引っかかっていて、スピッツのメロディやサウンドや世界観は好きだったので、共鳴と共振はどんどん加速。
そんなスピッツの曲の中でも『謝々!』は大好きな曲です。
私は、スピッツがリアルな恋愛の喜びを高らかに歌い上げるようになったのは、アルバム『フェイクファー』からだと思っているのですが、その中でも『謝々!』は、閉じていた扉を開けて、誰かとちゃんと向き合って、新しい何かが生まれた喜びが炸裂している曲です。