積水ハウス「地面師詐欺」調査報告書でわかったサスペンス小説のような展開 (2/2ページ)
〈数人のブローカー的人物〉が現れ、様々な情報をもたらすものの、これも黙殺。とはいえ、さすがに「大丈夫か」との懸念を抱きつつも、〈知人による本人確認と建物内覧〉は、〈代理人〉を自称する弁護士が現れたことで棚上げにされたままにしてしまう。
この後、様々なトラブルがあってリスクと疑念が生じるのだが、同じようにスルーされる。
「ニセ者に干支を聞いたら間違えたとの報告や仲介者への振込先がペーパーカンパニーだったことなども問題視されています。執拗な本人確認はせっかく売ってくれるといった相手の機嫌を損ねる恐れがあるなどとしてあまり重きは置かれておらず、仲介者が元政治家に近く、政治家の関係者も取引に絡んでいることが信用の担保にもなったようですが、本人確認においては簡単な周辺地域での聞き込みも行われていませんし、元政治家なんて今では思い出せない人も多いレベルの人物にしかすぎません」(同前)
目の前にブラ下がったニンジン欲しさに突っ走り、社長にも「取得可能」との報告済み案件だっただけに、走り始めてしまったら引き返せなくなってしまったのだろう。騙されているのかと疑いつつ、疑わしいほど信じたいと願うのが詐欺に騙される人の心理。それは東証1部上場の売上高2兆円の大会社でも変わらないようだ。
(猫間滋)