〈企業・経済深層レポート〉 久美子社長続投は悪手 ヤマダ電機へ“身売り”した大塚家具の不安要素 (2/2ページ)
しかも、久美子社長が取り込みたかった、IKEAやニトリなどを利用する層も、中途半端な大塚家具への大量移動には繋がらなかったのです」
不安材料の二つ目は、“久美子社長の続投”だ
「久美子社長が就任してから、すでに5年目。しかし、経営は改善するどころか、ますます泥沼に入り込み、破綻寸前に追い込まれていましたからね」(同)
日本経済全体が低成長とはいえ、帝国データバンクの調べでは、家具業界全体の売上高は、ここ数年は伸びている。
「ニトリは31期連続増収増益で’17年度の売上高は5448億5000万円。一方、大塚家具は連続赤字。久美子社長の経営手腕に疑問符が付くのも当然で、今回も社長続投を不安視する声が大きいのです」(同)
実は久美子社長の経営手腕への疑念は、昨年から噴出していた。
「三井住友銀行がお墨付きを出したことで、大塚家具の支援をしようとしていたヨドバシカメラですが、支援条件に出したのが久美子社長の退任。しかし、この案を蹴ったため破談になりました。だから今回、ヤマダ電機が久美子社長の続投を認めたことに対して、業界内では驚きの声が上がっています」(家具業界関係者)
そして三つめは、子会社化に踏み切ったヤマダ電機だ。
そもそもヤマダ電機は住宅メーカーのエス・バイ・エルを買収して、’11年に住宅関連事業に進出した。
「理由は、売上が停滞した家電事業のテコ入れです。住宅との相乗効果で、本業である家電の売上を伸ばす作戦でした。その流れで大塚家具の商品やノウハウを採り入れたのですが、そもそも、2018年に大塚家具から出資を打診された時は断っています」
それが’19年2月に業務提携。リフォームや家具など住宅関連商材を増やしたヤマダ電機の新業態店舗で、大塚家具が商品供給をし始めた。
「ヤマダ電機もそれだけ家電事業がうまくいっていないということでしょうし、業務提携してまだ10カ月。十分な成果が見極められない段階での子会社化に、勝算があるとは思えません」(経営コンサルタント)
ヤマダ電機の山田昇会長は会見で「大塚の家具は利益率が高い。信用不安が解消すれば3年で投資額は解消できる」と強気な発言をしているが、不安材料は多い。
ヤマダ電機の決断は、吉と出るのか凶と出るのか、全く不透明だ。