2年ぶりに展示中!北斎の娘・葛飾応為の名作「吉原格子先之図」の魅力【後編】 (2/2ページ)
もう1つの行灯が、一番分かりやすいようで実は少し見つけづらいのですが、お気付きでしょうか。そうです。客が覗き込む格子状の籬(まがき)の奥に、大きな行灯が1つ、張見世のシンボルのように立っているのです。
以上から、この絵は3つの提灯、2つの行灯が発する光をもとに巧みに陰を描き出し、幻想的な世界を造り上げている事が分かるのです。
魅力③隠された文字実は、この作品にはある秘密が隠されています。前述した3つの提灯にご注目です。それぞれ、一文字ずつ文字が入れられている事にお気付きでしょうか。
花魁道中から戻ってきた花魁の背中を照らす円筒状の大きな行灯には「應(応)」。中央手前で禿(かむろ)が手にしている丸行灯には「為」。その左に、遊女と話しこむ客が提げている筒状の行灯には「栄(応為の本名はお栄さんでした)」。
作品の中に、こっそり自分の名前を溶け込ませるお茶目な応為の姿が想像され、ますます好きになってしまいますね。
開館40周年記念 太田記念美術館所蔵 肉筆浮世絵名品展 ―歌麿・北斎・応為 太田記念美術館参考文献:太田記念美術館編集・発行「葛飾応為 鑑賞ガイドブック 」(平成27年5月)太田記念美術館
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