新型肺炎パンデミック 東京五輪を襲う「開催中止」危機 (2/2ページ)

週刊実話

2002年11月〜’03年7月にかけての『SARS』(重症急性呼吸器症候群)のような異常事態は「2度と起きない」と医療関係者は信じていたという。

 新型コロナウイルスの宿主としては、タケネズミが疑われている。タケネズミは中国の四川省や広東省、広西チワン族自治区でも養殖され1匹100元前後で売られている。とすれば、発生源が武漢の市場だけにとどまらない可能性があるのだ。

 ともあれ、新型コロナウイルスが拡大した背景には中国政府の「臭いものにはフタ」という隠ぺい体質がある。最初の患者は、昨年12月8日に遡る。武漢市で原因不明の肺炎患者が報告されたのだ。

 12月30日、「原因不明の肺炎救援工作をよくすることに関する緊急通知」という公文書が報告され、それがネットに流出。武漢市で原因不明の肺炎が広がっていると中国国内で噂になった。しかし、感染源地とされる華南海鮮市場は閉鎖されず、多くの人が年末の買い物に訪れていた。

「ウイルスの検査法には感度のいいものが使われるようになり、かなりの患者が出ているのに、中国政府はそれを隠していた。それどころか、熱が出ている人をすぐに隔離しなかった。春節期間中は30億もの人々が移動する。新型コロナウイルスはそれを契機に世界に広まるでしょう。パンデミックになるのは時間の問題だと思います」(外岡氏)

 武漢市当局は1月23日午前10時から武漢の空港や駅を出発する航空便や列車、地下鉄、バスを停止すると発表。春節による大型連休を前に1000万人を超える住民の移動を大幅に制限し、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を封じ込める措置を講じた。

「武漢市では高速鉄道の切符を求めて住民が押しかけ、市内のコンビニエンスストアでは23日早朝から、マスク姿の住民が長蛇の列を作った。市民の間では物流が遮断されたことで、食品の買い占め騒動が起きている」(現地特派員)

 中国政府は、習近平国家主席が1月20日に指示を出してようやく情報開示姿勢に転じたが、対応は後手後手だ。国家衛生健康委員会の李斌・副主任は会見で「武漢では地域的に感染している住宅地もある」として、人から人への感染が広がっていることを遅まきながら明らかにした。

 また、中国疾病予防コントロールセンターの高福・主任は「ウイルスが変異する可能性があり、さらに拡散するリスクがある。(感染力が極めて強い)スーパー・スプレッダーの出現が懸念されているが、まだ証拠はない。注視している」と述べた。

 外岡氏が警鐘を鳴らす。

「場合によっては、習近平体制を揺るがしかねない事態になってきた。新型コロナウイルスは豚インフルと比べ毒性は強いし、致死率も高い。ナメてかからない方がいいと思いますね」

 SRASの場合、症例報告から封じ込め成功までに約9カ月を要した。東京五輪で盛り上がりを見せ始めた日本だが、最悪中止に追い込まれる事態も想定しなければならない。

「新型肺炎パンデミック 東京五輪を襲う「開催中止」危機」のページです。デイリーニュースオンラインは、社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る