巨大地震へのカウントダウン「危険地域リスト」
年明け早々、日本列島に緊張が走った。東海から四国にかけての海底で、プレートの境目がゆっくりと動く「スロースリップ」現象が起きていると、東京大学および海上保安庁が発表したからだ。
「この現象が起きたのは、豊後水道沖や紀伊水道沖など7か所。いずれも過去に巨大地震をもたらしたプレートの境目、南海トラフの震源域ばかり。その境目が南東方向へ6〜8センチずれたんです」(全国紙記者)
日本で発生する地震の多くは、プレートの境目で“ひずみ”を解消するために起きているが、この「スロースリップ」現象は、プレート型地震の代表である東日本大震災の引き金になったともいわれる。「昭和東南海地震(1944年)で南海トラフが動いてから今年で76年。前々回の安政南海地震(1854年)は、その90年前に起きています」(前同)
つまり、次の巨大地震発生へのカウントダウンに入った状態で、スロースリップが確認されたのだ。もはや、待ったなし――。「南海トラフ巨大地震が起きた場合、静岡から宮崎にかけ、10県151市町村で震度7の揺れがあるとされ、太平洋沿岸に大津波が襲うことも想定されています。最悪の場合、死者は32万人以上になるとの予想も。これは東日本大震災の約17倍に相当します」(同)
そこで今回、内閣府発表の資料を基に、南海トラフ地震で震度7の揺れと大きな被害が予想される地域をリストアップした。だが、次ページの表1に挙げた街以外も安心はできない。地震学者の梅田康弘・京都大学名誉教授は、こう話す。「都市部でいうと名古屋市、大阪市の被害も想定しておかなくてはなりません」
特に注意が必要なのは大阪市だという。「震源域から少し離れていますし、紀伊水道で津波の力が弱められると考えられていますが、大阪湾へ回り込んだ“静かな津波”が長時間、大阪の湾岸エリアを襲うことになるでしょう」(前同)
■関東は「首都直下巨大地震」
一方、関東に目を向ければ、「首都直下巨大地震」の危機にも直面している。「去年の暮れに、関東地方で震度3〜4クラスの地震が頻発。“首都直下地震の前触れか!”と、不安の声が上がりました」(ジャーナリスト)
発生メカニズムは南海トラフと違い、地下の活断層が動いて、巨大地震を引き起こすタイプ。こちらも南海トラフ同様、大きな揺れが予想される地域を表2にまとめた。
東京23区が軒並み大きな揺れの被害に遭い、江東区と大田区の一部では、阪神大震災と同じく震度7に見舞われるとされている。この首都直下地震の死者は2万人以上と予測される。
ただし、直下型地震が襲うのは首都圏だけではない。「直下型地震と言うと、M7級の地震の原因となる活断層ばかりが注目されていますが、まだ認定されていない“隠れた断層”が、どの都市の下に走っているか分かりません。それらの断層でも十分、M6クラスの直下型地震を引き起こします」(前出の梅田名誉教授)
つまり、地震国といわれる日本に、もはや安全な街はないということ。いつ起きても大丈夫なように、準備だけはしておいたほうがよさそうだ。
