野村克也さん逝去…愛情秘話「猛妻・サッチーは怪速球投手だった…」

日刊大衆

野村克也さん
野村克也さん

 選手としても監督としても、輝かしい成績を残したプロ野球界のレジェンド・野村克也さんが、2月11日に逝去した。84歳だった。

 その衝撃は大きく、終生のライバルだった長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督は「ノムさんが残した偉大な功績と野球への底知れぬ愛は、これからも永遠に生き続けるはずだ。今後は天国からしっかりと、野球界を見守って欲しい」と、球団を通じてコメントを発表。

 海の向こうでは、楽天イーグルス時代に監督と選手の間で教えを乞うた、ヤンキースの田中将大選手がツイッターで「野村監督には、ピッチングとは何か、そして野球とは何かを一から教えていただきました。プロ入り1年目で野村監督と出会い、ご指導いただいたことは、僕の野球人生における最大の幸運のひとつです。どんなに感謝してもしきれません。心よりご冥福をお祈りいたします」と追悼した。

 その存在の大きさを改めて印象づけたが、野村監督といえば、沙知代夫人(2017年死去。享年85)のことを思い出す人も多いだろう。

「沙知代さんは、その歯に衣着せぬ言動でテレビ界で大躍進。『笑っていいとも!』に出演し、SMAP中居正広くんとタモリさんにつけてもらったという“サッチー”の愛称で、国民的な存在になりました」(芸能ライター)

 誰にでもはっきりモノを言い、傲慢とも思われる態度のため、誤解されることも多かったサッチーだが、ノムさんの愛情は深かったようだ。

 野村さんの著書『女房はドーベルマン』(双葉社)では、監督一流の分析が行われている。それは、野球選手のポジション別の性格の違いについてだ。

■「ビーンボールまがいの球も平気で…」

〈以前、私は選手の性格を判断するのに、タバコを買いに行かせたことがある。キャッチャーは、最初に必ず銘柄と個数を確認してから買いに行く。これが内野手になると、ほかにも欲しい人がいるかどうかを聞いてから行く。外野手はいかにも「しょうがねえな」という顔をして出て行く。面白いのはピッチャーで、監督が頼んだにもかかわらず若い選手に行かせてしまう。〉(『女房はドーベルマン』=以下、引用はすべて同書より)

 続けて、

〈さらに、部屋のスリッパの脱ぎ方にも個性の違いが出る。ピッチャーはスリッパが山ほど散らかっていても上から歩き、そのまま脱いでしまう。内野手は片付けるようにと若い選手に注意しながら脱ぎ、外野手は散らかっているのを少しも気にせず自分の分だけ揃える。散らかっているスリッパをちゃんと揃えるのはまずキャッチャーである。〉

 と書く。そして、予想通りというべきか、

〈沙知代はまぎれもなくピッチャー。キャッチャーには絶対なれないタイプだ。おそらく本人もそれを自覚している。〉

 と続く。しかし、そこからがノムさんが超一流たるゆえん。サッチーが投げるボールを自分は受けるだけだが、いろんなボールを投げてくるから実に面白い、と書いて、

〈コントロールが悪いから、暴投も多い。ビーンボールまがいの球も平気で投げ込んでくる。それでも、ときに素晴らしいボールを投げることがある。百五十キロを超える快速球が私のミットに心地よく吸い込まれる。ひょっとすると、そんな素晴らしいボールに私は惚れたのかもしれない〉

「野球人として、これ以上ない愛の表現ですよ。野球でキャッチャーは女房役、と言われますが、野村夫妻では夫のノムさんが女房役を務めていた。誰にもうかがいしれない愛情があったんです」(ベテラン野球記者)

 いまごろ天国で、野村監督と沙知代夫人はボールを交わしているのだろうか。心から、ご冥福をお祈りいたします。

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