森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」 ★手討ちにされた泉佐野市 (2/2ページ)
それどころか、税制の抜け穴を防ぐための増税変更などの制度改正は、ビールメーカーが必要な対策を取れるように、十分な期間をおいて実施している。
対して総務省は、泉佐野市に法律違反がなかったにもかかわらず、ふるさと納税による税収獲得の道を無期限で閉ざしている。言うことを聞かない泉佐野市は無礼だから、制度の対象から外してしまおうということだ。これは、江戸時代の武士に認められていた「無礼な行動をした者は斬り殺して構わない」という「斬り捨て御免」の制度と同じである。ところが、大阪高裁は「総務大臣には広い裁量がある」として、総務省の行動を認めてしまったのだ。
私自身も、泉佐野市はやりすぎたと思っている。ただ、それは総務省の作ったルールに穴があったから。その穴を突いた自治体を制度の対象から外し、全面降伏しない限り仲間外れにするというのは、「法治国家」の否定だ。
泉佐野市は、最高裁に上告した。最高裁が法治国家を認めるか注目だ。