「劇団☆新感線」を人気劇団に成長させた「影の立役者」とは? (2/2ページ)
メインキャストが決まると、次は他の役のキャスティングが始まる。もちろん、ただ有名な俳優を並べればいいわけではない。稽古・本番の4ヶ月間は同じ釜の飯を食う仲間。相性も大事なのだ。お客さんから新感線に出て欲しいと思われている俳優や細川氏や新感線のスタッフが面白いと考える俳優など、さまざまな理由からキャスティングしていく。
そして、番手(出演俳優の名前の順番)やヴィジュアル(ポスターなどの写真のサイズとその配置)などの調整をする。最後にプロデューサーである細川氏の勘による集客予想を加味して、公演に向かうカンパニーが作られるのだ。それらが決まると、所属の劇団員を配置していく。
公演をしてもお客さんが見込めなければ、劇団は成り立たない。演劇プロデューサーになる前、レコード会社などでサラリーマン経験のある細川氏は、「演劇を通して雇用を生み出す」ために、集客目標を決め、徐々に大きな劇場に進出して動員数を増やしていく。細川氏が演劇プロデューサーとなった80年代の小劇場では、このビジネス的な考え方は当時珍しいことでもあったという。
演劇界で常に新しいことに挑戦し、演劇プロデューサーとして長年生きてきた細川氏の考え方や生き方を知ることができる本書。本書をきっかけに、劇団☆新感線をはじめ、演劇を観に劇場に足を運んでみてはどうだろう。生の俳優が目の前で演じる姿は、テレビや映画とはまた違う、演劇ならではの魅力を楽しめるはずだ。
(T・N/新刊JP編集部)