「心が空っぽになる感覚」の正体
心にぽっかり穴が開いたような空虚感を抱いたことはありませんか?
「やる気が出ず、なんだかだるくて空虚感がある」といった声はよく聞きます。言いようのない虚しさに襲われ、つらい日々を過ごしている方もいるでしょう。
今回は空虚感でモヤモヤしている方に向けて、それが生まれる原因や虚しさの克服方法を解説します。
■空虚感って何?
空虚感とは、心が空っぽになったような虚しい気分のこと。
ストレスが蓄積されて心の風邪をひくと、空虚感を抱いて言動や感情に影響を与えてしまうでしょう。
空虚感は欲望・行動・感情に影響を与えます。
心身に負荷がある状態だと、意欲がなくなって無気力状態が長く続いたり、1日中ぼんやり過ごしたり、ほとんど活動できなかったりといった変化が見られます。
感情に異常が表れると、人と交流しても喜怒哀楽が生まれなくなったり、周りの人々や物事に無関心になったりします。
空虚感は誰しも少なからず抱くものですが、あまりに大きな空虚感を抱き続けると、日常生活に支障をきたすかもしれません。早めに対処したほうがいいでしょう。
◇虚無感とは何が違う?
「空虚」と「虚無」の意味はほとんど同じ。
空虚感と虚無感もほぼ同じ意味で使われますが、虚無は「価値のある本質的なものがない」といった意味もあり、意味を見出せない物事に使われるケースもあります。
■人が空虚感を抱く原因
人はなぜ空虚感を抱くのでしょうか? 空虚感には5つの原因があります。
◇(1)強いストレスを感じている
仕事や恋愛など、なんらかの理由で強いストレスを感じることは大きな原因のひとつです。
ストレスによって感情がうまく機能しなくなって無気力になり、空虚感が生まれることがあるのです。
◇(2)心身の疲れがたまっている
過労などで精神や肉体に疲れが溜まっていて、うまく解消できないまま蓄積されていくと、それによって体がだるくなったり、心が蝕まれて空虚感を持つようになったりします。
日々の仕事や家事、育児などの疲れが溜まっていませんか? 時には人を頼ったり、外注サービスを使ったりして、自分が休む時間を確保しましょう。
◇(3)自信を喪失している
失敗経験が心の中に根強く残ってトラウマ化し、自信を失って空虚感を抱くようになる人もいます。
きっかけは学生時代の人間関係がうまくいかなかったり、社会でうまく適合できなかったり、家族との関係性が複雑だったりとさまざま。深く傷ついた経験があり「二度と精神的ダメージを負いたくない」といった思いから回避傾向が生まれ、自分にも期待しなくなり、やがて空虚感に苛まれるようになることがあるので注意が必要です。
◇(4)理想と現実のギャップが大きい
自分が思い描いている理想と現実のギャップが大きいと、今の状況や自分に落胆して空虚感が膨らんでいきます。理想の自分が遠ければ遠いほど、人は葛藤し苦しんでしまうもの。
「こんなはずじゃないのに」「なぜ理想のような生活ができないんだろう」「今の自分が好きじゃない」といった不満や不安ばかりが募ってしまうので、理想を掲げてもそれに対する義務感は持たないようにしましょう。
◇(5)大きなショックを受ける出来事があった
失恋や死別など大きなショックを受ける出来事があると、心理的なストレスに押しつぶされそうになります。
真正面からショックな出来事と向き合うと、耐えられないくらいのストレスを感じてしまうのです。自分をストレスから守るため、無意識に心のスイッチをオフにして何も感じないように自己防衛した結果、感情が極端になくなり空虚感が強まる人がいます。
■言葉にできない虚しさを克服するには
空虚感に悩まされている方は、言葉にできない虚しさを抱えています。一刻も早く空虚感を解消するため、克服方法を5つ紹介します。
◇(1)凝り固まった考えを捨てる
悩みやストレスを抱えている人は、考え方が硬直化し歪みやすくなります。
「仕事には常にベストを尽くすのが当たり前」「頼みごとを断ったら相手との関係が壊れてしまう」といったマイナスな方向に固まった考え方は、苦しみや悲しみなどネガティブな感情を生じさせ、自分をさらに苦しめてしまうもの。
自分を苦しめるストレスの原因になり、空虚感を増大させます。
こうした傾向は、今までの経験によって生まれたと考えがちですが「否定的な感情は過去の人間関係や出来事からではなく、自分の認知・思考から生まれている」と考えるのがポイント。
なるべく「~しなければならない」「~するなんて許されない」といった凝り固まった考えは捨て、物事や人のポジティブな面に注目して、柔軟な思考ができるようにトレーニングしましょう。
◇(2)人間関係を見つめ直す
空虚感の原因が人間関係のトラブルであれば、それを見つめ直し整理するのが効果的です。
ポイントは他人を変えようとしないこと。人は簡単には変わりませんし、変えることもできません。自分が親しくなりたい人と信頼関係を構築すれば、困ったときには相談して気持ちを立て直しやすくなります。
信頼関係を作るコツは、相手の感情を否定したり、問題を指摘したりしないこと。
相手のことをありのまま受容し、自分自身も無理せずに接しましょう。苦手な人と無理に付き合ったり、下手に出たりするのをやめるのも大切です。
◇(3)自己理解を深める
日本人は謙遜によって自分を卑下しがちですが、それは正しい自己理解の妨げになります。
失敗したとき、自分に対して極端にネガティブなレッテルを貼っている方は要注意! 心の健康を保って空虚感を軽減させるには、客観的な視点で自分を見つめる力が必要です。
事実ベースで自分がしたこと、感じたことを書き出すなどして客観視し、自己理解を深めましょう。そうすればモヤモヤも整理しやすくなり、漫然とした不安による空虚感が軽減できます。
◇(4)悲観的・否定的な考え癖を断つ
確かな理由もないのに深読みしたり、先読みして悲観的・否定的な結論を出したり、何かひとつでも良くないことがあると「私はいつもこうだ……」とネガティブに捉えたりしていませんか?
否定的な考えを持っていると自尊心が削られていき、自分を認められず空虚感が大きくなります。
こうした否定的な考えは、“客観的な事実”より“否定的な感情を事実だと決めつける癖”につながってしまうので、肯定的な考えも身につけましょう。
◇(5)全員に好かれようとしない
「みんなに好かれなければ」と考える人は、無理して人に合わせた行動を取るためストレスを感じやすく、それによって心がすり減ると空虚感を抱きやすくなります。
合理的に考えれば、どんな人でも「全員」に好かれるのはほぼ不可能。
現実離れした極端な理想を自分に課している人は、なるべく合理的な考えを持つようにしましょう。例えば「なるべく多くの人に好かれるといいな」と置き換えるだけでも、心の負荷がだいぶ軽くなり、理想と現実のギャップに苦しむことも減りますよ。
空虚感は自分でコントロールできるもの
空虚感は心と体の健康を蝕んでしまうもの。心身のSOSでもあるので、空虚感が生まれたら早めのケアを心がけましょう。
誰しも多かれ少なかれ抱くものなので、うまくコントロールすることが大切です。ご紹介した克服方法を実践して、心の穴をやさしく埋めてくださいね。
(秋カヲリ)
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