天才テリー伊藤対談「中西学」(3)五輪、新日入門時の挫折を経験して (2/2ページ)
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中西 いえ、けっこう落ち込みました。
テリー また、どうして?
中西 プロレスラーに要求されるスタミナが、これまでと根本的に違いすぎたんです。レスリングって、どんなに長くても試合は10分くらいなんですが、昔の(アントニオ)猪木さんや(ジャイアント)馬場さんなんて、ヘタすると60分間戦い続けたわけです。3~4時間ハードな練習をしてヘトヘトになっているのに、そこからまたスパーリングが始まって、みたいな感じですから。もうイチから出直す感じでした。
テリー それはキツいね。
中西 僕が持っているいいところはデビュー戦でずいぶんと引き出してもらったんですけれど、それは周りにサポートしてもらったおかげです。そのあと、どんどんボロが出てきてしまって。
テリー どうやって、その苦境を乗り切ったんです。
中西 アマチュア時代もモノになるまで10年ぐらいかかったんだから、プロレスもそれくらいかかるくらいに思ってやらなあかんな、と気持ちを切り替えたんですね。謙虚な気持ちで、基本をしっかり時間をかけてやる。だから7年目、99年のG1 CLIMAXで初優勝できた時は本当にうれしかったですね。
テリー ちなみに中西さん以降、五輪のレスリング選手はプロレス入りしていないじゃないですか。昔はジャンボ鶴田さん、長州力さん、馳浩さんとか、たくさんいたと思うんですけれどねェ。
中西 確かにちょっと寂しいですね。そういう人材が今後入ってきたら、プロレスはもっとおもしろくなると思うんですが。
※対談日は引退試合前