オウム真理教の今「地下鉄サリン事件から25年」(2)被害者追悼の日に旅行 (2/2ページ)
そこまで慰霊にこだわるなら、なぜ「聖地巡り」を中止しなかったのか。当時、広報担当者はこう答えた。
「被害者の方への賠償金のための寄付を得る機会でもありますので」
ひかりの輪は設立時から「被害者への賠償」を団体存続の大義名分としている。しかし実際の賠償額は14年以降、毎月25~30万円でしかない。批判の中で行われた「聖地巡り」の月は30万円が支払われ、翌月は25万円と通常どおり。
では、「聖地巡り」でどれほどの収入が得られたのか。宿泊費・温泉料金別の参加費は1人3万7000円。集合写真には29人が写っていた。そこから上祐氏やスタッフを除いた有料参加者を仮に20人とすると、寄付を除いた「売り上げ」だけで74万円になる。一方、ひかりの輪の支出は交通費ぐらいで、教団や信者の車を複数連ねての相乗りだから、きわめて少ない支出で済んだはずだ。なのに、賠償額を大きく増やすことはなかった。
この数字は試算でしかないが、無神経な日程と併せ考えると、本当に事件を反省していると言えるのだろうか。ひかりの輪の元信者は、こう証言する。
「聖地巡り中ではない時の慰霊式に何度も出席したことがありますが、広末晃敏氏(副代表)が司会で黙祷し、あとはお供物のお菓子をみんなで食べる程度のものです。上祐氏は黙祷が終わる頃に登場して講話をするだけで、黙祷に参加しないことさえありました」
藤倉善郎(ジャーナリスト)