世界の福本<プロ野球“足攻爆談!”>「エースの癖を見抜いた偶然の映像」 (2/2ページ)
リズム、呼吸の仕方にも人それぞれ違いは出る。それに気づいたのは、南海の野村監督がクイックで投げさせるようになってからやった。当初は走るのが難しくなったと困っていたけど、クイック投法にも各投手のリズムが違うことがわかってからは楽勝になった。簡単に言うと、構えてから「1、2」の呼吸でホームへ投げる投手は、「1、2の3」では投げられない。勝負は足を上げる寸前。足を上げてからスタートを切っていては遅い。「足を上げますよ」というタイミングで走れば、投手は途中でフォームを止められない。スタートが決まれば、捕手の肩がいくら強くてもアウトになることはない。
走者のスタートもタイミングが重要ということ。打者はどれだけスイングが美しくても、タイミングをとるのが下手やったら、成績は残せない。走者も一緒。どれだけ足が速くても、相手投手の足を上げるタイミングを計るのが下手なら、盗塁の成功率は低くなる。タイミング音痴はこの世界では通用しない。
でも捕手に言わせたら、走者にも走る時は癖が出ているという。プロの勝負はコンマ1秒。ミリ単位で決まるということやね。
福本豊(ふくもと・ゆたか):1968年に阪急に入団し、通算2543安打、1065盗塁。引退後はオリックスと阪神で打撃コチ、2軍監督などを歴任。2002年、野球殿堂入り。現在はサンテレビ、ABCラジオ、スポーツ報知で解説。