古川雄大「ミュージックティ」怪演が『エール』で浮かないワケ

日刊大衆

※画像はイメージです
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 連続テレビ小説エール』(NHK)は早くも第5週目を迎え、窪田正孝(31)が演じる古山裕一が作曲家として国際的な賞を獲ったことで、物語が一気に動き出した。前週は二階堂ふみ(25)が演じる音と裕一が文通する様子も描かれ、一週間の世帯平均視聴率が初めて20%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を越えた。世間の注目度は、明らかに高まっているようだ。

 裕一と音の恋模様もおもしろいが、ほかの登場人物も注目されている。ツイッターには「もうだめだ、ミュージックティーチャーが好きすぎる」「自粛中に元気をくれるミュージックティーチャー」という言葉が並んでいた。そう、音の音楽教師、御手洗清太郎(古川雄大/32)が、前週から『エール』ファンの間で話題なのだ。

 御手洗はおねえキャラを思わせる独特の話し方で、ドイツ帰りゆえの海外かぶれぶりを披露。その設定がすでに笑えるのだが、言葉のセンスがものすごい。たとえば、賞を受賞した裕一から見た音を評した「彼にとってはありんこの中の一匹、宇宙をまたたく無数の星の中の星くず、いや、かずの子の中のひと粒ぐらいよ」という言葉。そして、裕一の手紙を読み、「やっぱりファンタスティックな音楽を創造できる人は、文章もハートもビューティフル」と、涙する。

 流暢な発音で「ミュージックティーチャーと呼びなさい」と言い出した初登場時から気になっていたが、古川雄大の怪演が、主役2人を食う存在感を発揮している。4月23日の放送では「ミュージックティーチャーよ」というセリフがオープニング曲でぶった切られた「ミュージックティ」がSNSのトレンドワード入りするなど、明らかに『エール』の人気を牽引しているのだ。

 この御手洗を演じる古川雄大は、ミュージカル界の新プリンスといわれる人気役者だ。『黒執事』のセバスチャンや、『レディ・ベス』のフェリペ役、『ロミオ&ジュリエット』のロミオ役などで知られている。2018年は山崎育三郎(34)とのダブルキャスト『モーツァルト!』で帝国劇場初主演を果たしているように、ミュージカル界の至宝の1人なのだ。

■主役の2人がいてこそのミュージックティーチャー

 テレビドラマでも18年のドラマ『下町ロケット』(TBS系)で、悪役である農林協の吉村役で登場。今年放送された『トップナイフ-天才外科医の条件-』(日本テレビ系)での、BARカサブランカのミステリアスなマスター役も話題になった。ミュージカルの枠を飛び越え、いよいよ知名度を高めてきた古川が『エール』でさらにブレイクする可能性は高い。御手洗役はこれまで見せた役柄ともまったく印象が違うが、その引き出しの多さには驚かされる。

『エール』は内気な性格の裕一と、それを支える勝気な妻の音と、主役2人のキャラがしっかり定まっている。それゆえに御手洗のように1人でも笑いをとれるような、飛び道具キャラがいきてくるのだ。物語前半を面白おかしくしてくれているマーベラスでファンタスティックな古川ティーチャーから目が離せない!(朝ドラ批評家・半澤則吉)

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