ターミネーターかな。ゴム製外骨格と組み合わせることで形状を記憶できる液体金属構造が考案される(米研究)
形状記憶する液体金属構造が考案される image by:Pu Zhang
持ち運ぶときはギュッとコンパクトに圧縮し、使うときには加熱すれば本来の形状にふわっと戻る。そんなターミネーターのT-1000を彷彿とさせる金属デバイスがもうじき開発されるかもしれない。
その液体金属構造は、「フィールド合金(Field's alloy)」という既存の金属を3Dプリンターで格子状に出力することで作られる。ここにさらに、真空鋳造法とコンフォーマル・コーティングという技法でゴム・コーティングを施せば完成だ。
・62度で溶ける液体金属、フィールド合金
発明者のサイモン・ケレン・フィールド氏に因んだ名を持つこの金属。「フィールド合金」は、ビスマス、インジウム、錫の合金で、金属でありながらわずか62度で融ける。
ここから作られる液体金属格子は、周囲の温度が62度未満ならば固体としてその形状を維持する。そして、62度以上にまで加熱すれば融けて液体になる。
しかし、それをコーティングするゴム層から漏れることはない。この状態でならまっ平に潰したりと自由に変形させることができるので、冷却してやるだけでその形状のまま固体になる。
元の形状に戻したいなら、再び加熱して中の合金を融かすだけでいい。ゴム層が最初の形を憶えているので、ふわっと本来の形に元どおりだ。あとは冷やせば、オリジナルの形状を復元できる。

Pu Zhang
・宇宙船の着陸用ショッアブソーバーにも
液体金属構造を開発したビンガムトン大学(アメリカ)の研究チームは、サンプルとしてクモの巣状のアンテナやサッカーボール、ハニカム構造、さらにはT-1000を彷彿とさせるグローブのようなものまで作り出している。

Pu Zhang
研究チームのプゥ・ジャン氏(なお、ターミネーターを観たことはないそうだ)によると、宇宙船が着陸するときの衝撃を和らげるショックアブソーバーとしても応用できるだろうとのことだ。
通常、こうした用途にはアルミや鉄鋼が利用されるが、この場合、着陸した途端に変形してしまうので再利用ができない。しかし液体金属格子なら加熱するだけで元に戻るので、繰り返し利用することができる。
この研究は『Additive Manufacturing』(5月付)に掲載された。
Multifunctional liquid metal lattice materials through hybrid design and manufacturing - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2214860419324923
References:Liquid metal research invokes ‘Terminator’ film — but much friendlier | Binghamton News/ written by hiroching / edited by parumo