日本で古来から語り継がれてきた”人間と動物が結婚しちゃう系”の説話「異類婚姻譚」 (2/2ページ)
他にも実に多様な動物が登場する婚姻譚が日本中に伝承されており、同じ説話でも地域によって内容や解釈が異なる点も非常に興味深い。
「一寸法師」や「浦島太郎」も地域によっては婚姻譚として伝承されている。
異類婚姻譚に登場する動物人と婚姻する対象には様々な生き物が登場する。「猿」や「犬」、「馬」や「鳥」などの動物から、「蛙」や「虫」、さらに「たにし」や「はまぐり」といった貝類までバラエティに富んだラインナップだ。
中でも、全国にある説話に登場する動物の中で最も回数が多いのが「蛇」だという。理由は定かではないが、蛇という生き物に備わっている畏怖すべきイメージというか、摩訶不思議な雰囲気が説話や神話にマッチしたのかもしれない。
日本人と自然観日本には古来より「自然崇拝」という考え方が存在した。これは、自然物や自然現象に神秘的な力や人知を超えた存在を認め、それを崇め奉る風習であり、対象は動植物にも及んだといわれる。
それぞれの地域に根づき語り継がれてきた説話たちは、人生におけるある種の教訓や戒めのような意味合いをはらんでいることも特徴的だ。異類婚姻譚は古の時代から、日本人と自然の関係性を認識する上でとても興味深い資料といえるだろう。
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