もっと可愛いものだと思ってた…「てるてる坊主」はまさかの妖怪が起源だった!? (2/3ページ)
今、婦人女子てるてる法師といふものを紙にてつくりて晴をいのるは、この霊を祭れるにや
出典:「今昔画図続百鬼」鳥山石燕 著
石燕によると、日和坊は常陸の国(現・茨城県)の深い山中に住んでおり、晴れの日には姿を現し、雨が降ると姿を隠す妖怪とのことです。
また、今の女性や子どもが紙で作っているてるてる法師(てるてる坊主)は、日和坊の霊を祭っているのだろうか、と自説を述べています。
江戸時代のてるてる坊主は、紙で作った着物を着せられていたり、こよりの帯を巻いていたりなど、現代のてるてる坊主よりもより人間の見た目に近いものでした。
また、晴れの願いをかなえてくれたてるてる坊主には目を描き入れ、お酒をふるまったという記述が『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』という江戸時代後期の文献に残っています。
晴れは晴れでも…一方で、てるてる坊主の起源は魃(ひでりがみ)という名の妖怪であるという説もあります。
魃は、もともとは中国の妖怪で、獣の体と人の顔を持ち、手と足がひとつずつしかありません。この妖怪が現れると雨が降らず、名前の通り大変な日照りとなったといわれています。