桑田佳祐、コロナ、拉致、政権…「浅知恵」は大間違い!貫く「闘歌」
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サザンオールスターズ
6月6日、WOWOWで『サザンオールスターズ・桑田佳祐スペシャルDAY 12時間無料放送!』が放送された。12時間にわたってサザンオールスターズ、桑田佳祐(64)のライブ映像を流すという内容が、大反響を呼んだという。
「WOWOWは本来、チャンネルに加入しないと見られないのですが、今回は加入不要で視聴できました。その影響もあってか、ツイッターでは“#四六時中もサザンを聴いて”という番組公式のハッシュタグが長時間にわたってトレンド入り。大変な話題になりました」(WEB編集者)
サザンオールスターズの公式サイトなどで、自宅で過ごすファンに向けた企画「Keep Smilin’~“出来ることから”ちょっとずつ~」が実施されている。この企画ではYouTubeでサザンや桑田のミュージックビデオをフル公開、ファンクラブ会報を一般公開するといった取り組みを実施。さらに6月25日のデビュー記念日には「Keep Smilin'~皆さん、ありがとうございます!!~」という無観客配信ライブが行われることが発表されている。今回の放送もステイホーム企画の一環として行われた。
「5月2日に放送された、桑田のレギュラーラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM系)で、コロナ禍で“ひとりひとりが今、何を出来るか?”というメッセージをリスナーから募集するとの企画などが行われました。この放送の流れを汲んでKeep Smilin’のプロジェクトが発足したようです」(芸能記者)
■楽曲に批判も
5月2日の『桑田佳祐のやさしい夜遊び』ではリスナーからのメッセージ以外にも「Stay Home Blues」と題したコロナ禍への思いを綴った曲が披露されたという。
「桑田が放送当日に急遽作ったという“Stay Home Blues”でしたが、ステイホームを呼びかけるフレーズがあったほか、“休めと言われて 生活の保障はどうなるの”や“納税者は お国のために頑張ってきた 誰のために未来はあるの”といったコロナ対策へ疑問を投げかけるような一節もあったんです。攻めた内容だったこの曲に、ネット上では“ステイホームブルースなんて恥ずかしいぞ目を覚ませ”や“この人は意外と薄っぺらいから政治批判的な曲は面白くない。恋愛ソングだけかいていれば良い”といった批判が寄せられてしまいました」(前出の芸能記者)
桑田はこれまでに、サザンとして「さよならベイビー」や「あなただけを〜Summer Heartbreak〜」といった珠玉のラブソングや「BOHBO No.5」、「マンピーのG☆SPOT」など淫れ気味のアッパーチューンでヒットを飛ばしてきた。それだけに社会性のあるメッセージに意外性を感じる人もいるという。
「先日、“#検察庁法改正案の強行採決に反対します”というハッシュタグを、きゃりーぱみゅぱみゅ(27)や小泉今日子(54)らがツイッターに投稿し、なぜか批判されてしまった出来事がありました。このときに“急に騒ぎ始めた”との声があったのですが、桑田の“Stay Home Blues”にも同様の印象を受けた人がいたのかもしれません。
しかし、代表曲にこそ挙げられませんが、桑田は以前から、風刺や攻撃性のある曲も作っているんです。一般的に知られているサザンや桑田のイメージと違うため、そうした楽曲の存在を知らない人も少なくないようですが、その歴史は長いです」(前同)
音楽ライターによると、すでに1980年代から桑田は硬派な曲を作っていたという。
「1983年に発表された“YELLOW NEW YORKER”は人種差別に異を唱えた内容になっており、同年発表の“かしの樹の下で”は中国残留孤児がテーマになっています。1985年発表の“悲しみはメリーゴーランド”では、隣国との歴史修正問題を暗に示すようなフレーズが盛り込まれており、重い話も取り上げていたんです」
■よりストレートになった90年代
サザンオールスターズは1986年から一時活動を休止。個々のソロ活動を挟んで、1988年から活動を再開したが、この頃から社会派路線はよりストレートになっていったという。
「1990年に“政治家”というタイトル通り、政界や政治家を揶揄した楽曲が登場。さらに1992年には“ニッポンのヒール”というパパラッチや政治など社会のあらゆる事象を痛烈に皮肉った曲が発表されました。この後も1996年に“汚れた台所”、1998年に“爆笑アイランド”と、発売したアルバムに1曲は社会性のあるトラックが必ず入っていました。1990年代のサザンはシングルの売り上げも好調で、アルバムもミリオンやそれに近いセールスを叩き出していて、多くの人が愛聴。そのため、桑田のロッカーとしての反骨精神や攻撃性がかなり浸透した時期ではないかと思います」(前出の音楽ライター)
サザンだけでなく、桑田のソロ活動でも、そのセンスが冴え渡った。
「料亭政治や医療、教育などを洒脱な言葉で揶揄した1994年発表の“漫画ドリーム”。アメリカに追従してばかりの弱気な日本を、ユーモアあふれる歌詞で軽快に歌った“ROCK AND ROLL HERO”などソロ活動でも桑田節が炸裂していますね。
2009年には桑田の冠番組『桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜』(フジテレビ系)で、“アベーロード”というビートルズのアルバム“アビーロード”の収録曲の替え歌を披露。当時の政治や政局を痛快に風刺した、替え歌パフォーマンスは、放送から10年以上たった今でも、ネット上で話題になるんです」(前同)
■近年もその勢いは衰えず
2015年に発売された、現時点でサザンの最新オリジナルアルバムとなる「葡萄」。桑田が還暦を間近に控えたタイミングにリリースされたが、桑田の猛毒は薄まらなかった。
「サザンは2008年に活動休止を発表し、2013年に再開。復帰一作目となった“ピースとハイライト”は、お祭り気分にさせてくれるイントロの派手なブラスと裏腹に、歌詞は東アジア情勢を指して、平和を訴える内容になっており、発売当時は物議を醸しました。アルバム“葡萄”はこの曲のほかに“Missing Persons”という、ハードなロックサウンドで拉致問題を歌った曲が収められたことも話題になりました」(前出の音楽ライター)
先述の「漫画ドリーム」や、いじめや差別をテーマにした「飛べないモスキート(MOSQUITO)」を収録した1994年のアルバム「孤独の太陽」について、桑田は自身の著書『桑田佳祐言の葉大全集 やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』(新潮社)の中で語っている。
「桑田はこのアルバムを作っていた当時に“今の社会の出来事に、歌で正義感をふりかざしても、所詮、綺麗事にしかならないんじゃないの?”と自身の楽曲に、諦めのようなものを感じていたといいます。桑田は、自身の影響力をちゃんと把握していますから、この考えは今でもあまり変わっていないと思います。メッセージ性の強い曲は作ったときの怒りの感情や勢いに任せているのではなく、ちゃんと桑田なりに熟考した上で作っているでしょう。
しかし、“ピースとハイライト”発売時にSNSでサザンのCDを粉砕した写真を投稿する人が現れたほか、“Stay Home Blues”に対しても“聞きかじりの浅知恵で風刺”といった批判が寄せられてしまいました。しかし、コアなファン層には確実に支持を集めているのも事実です。桑田からのメッセージをしっかりと受け取っている人もいますし、これからも硬派な楽曲を出してほしいですね」(前同)
国民的なシンガーソングライターは問い続ける。