『古事記』と『日本書紀』その違いと奇妙な類似点 (2/2ページ)
『古事記』では、父の景行天皇の命を受けて、西の熊襲、出雲健、東方十二道の荒ぶる神を平定する英雄。そして、ヤマトタケルの死は霊力をもった剣を身辺から離し、伊吹の山神を言あげしたためであり、不慮の死を遂げる悲劇の英雄として描かれている。
一方、『日本書紀』では、景行による遠征が行われたあとにヤマトタケルが西征を行ったことになっている。東方遠征はヤマトタケルが主体ではあるが、景行の巡幸説話が記されていて、ヤマトタケルが英雄というわけではなく、常に大王がその背後に見え隠れする。ヤマトタケルの死についても、悲劇の英雄という感じではなく、大王のために忠誠を尽くした姿が強調されている。
ヤマトタケルの系譜にも違いがあり、ヤマトタケル伝承といっても、『古事記』と『日本書紀』では、さまざまな違いが見られるのだ。
本書で明かされている『古事記』と『日本書紀』の接点と相違点はいずれも興味深いものばかり。我々の祖先が描かれている日本古代史の奥深い世界に思いを馳せてみるのもおもしろいかもしれない。
(T・N/新刊JP編集部)