歴代総理の胆力「小泉純一郎」(1)良くも悪しくも「言葉の人」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 内政では、「改革の本丸」としていた「郵政民営化」は、その法案が参院で否決されると、異例、奇手とも言える衆院での再議決まで待ってようやく成立させた。しかし、3分割された郵政事業となり、国民のためによかったのかどうかは、あれから10年経ったいま、いまだに明確になっていないのが実情だ。

 一方、国と地方の税財源を見直し、地方分権の推進に資するとした「三位一体改革」も紆余曲折、結局はアヤフヤのままで終わっている。さらに、特殊法人の解体を叫んだが何も変わらずだった。

 結局、景気・経済は懸案の不況からの脱出とはならず、例えば株価も前任の森喜朗内閣当時よりも下落したままで終わっている。また、大企業に比べて中小・零細企業や商店、都市に比べて地方経済もまた悪化そのものだった。一部の強者や勝者と、大多数の弱者や敗者といった具合に、社会構造が二分されるといった結果も招いた。

 一方、内政でこうした結果を招いたことは、小泉の外交姿勢がそれを明らかにしている。小泉の外交姿勢はとりわけ「理念」が見られず、もとよりそれを支える「国家観」もうかがえなかったということだった。

 例えば、唐突に北朝鮮を訪問、一部拉致被害者を帰国させたうえで、「平壌宣言」を発表したが、いかにも譲歩した部分が目立ち、拉致問題の全面解決にも方途の見い出せぬものだった。

 また、イラク戦争への自衛隊派遣、さらには多国籍軍への参加も、「大義なき戦争」が明らかになるなかで、小泉の「説明」はいかにも大雑把、そこでは「対米追従」のみの姿勢が浮かび上がるといった具合だった。

■小泉純一郎の略歴

昭和17(1942)年1月8日、神奈川県生まれ。慶応大学経済学部卒業後、福田赳夫秘書。昭和47(1972)年12月、衆議院議員初当選。平成13(2001)年4月、三度目の自民党総裁選に勝利し、内閣組織。総理就任時59歳。現在78歳。

総理大臣歴:第87~89代 2001年4月26日~2006年9月26日

小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。

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