藤井聡太 誰も語らなかった「7大極秘ファイル」初公開(1)AIに6億手読ませて出現 (2/2ページ)
結果的に、勝ちにつながったので大成功です」
この「5四金」は本来、守りを担う「金」が突如、攻撃に転じて前に出るという想定外の一手だったのだ。これには「魔王」の異名を持つ渡辺も動揺したのか、右手で眼鏡のフレームを触る様子は、指すなりすぐに席を立ったポーカーフェイスの藤井とは実に対照的に映った。屋敷九段が続ける。
「渡辺九段も手の一つとしては想定していたと思います。意表を突かれたとはいえ、経験値で対応していくものですが、『何を意図しているのだろう』と考えていく中で対応が難しくなったのでしょう」
衝撃はまだ続く。中盤の勝負どころである58手目には「3一銀」というAI粉砕クラスの妙手が指された。これには、同業者からも驚きの声が上がったほどだ。
「20年の世界コンピューター将棋オンライン大会で優勝した『水匠2』の開発者・杉村達也氏が自身のツイッターに〈将棋ソフト(水匠2)に6億手読ませると突如最善手として現れる手だった〉と投稿するほど深い読みの必要な一手でした。それをわずか23分で指した藤井七段のひらめきはAIをも凌駕しているともっぱらです」(将棋ウオッチャー)
デビュー当初からAIを駆使した研究を指摘されてきた藤井だったが、もはやAI超えの「必殺技の披露」はなにも今回に始まったわけではなかった。将棋ウオッチャーが胸を躍らせて言う。
「19年には新手や妙手を指した棋士に与えられる升田幸三賞を受賞しています。今後も中原誠十六世名人の『中原囲い』や塚田泰明九段の超急戦法『塚田スペシャル』のような将棋界のトレンドとなるオリジナルの妙手に期待がかかります」
新技の開発でもすでにトップクラスの実力を誇るというのだ。
(アサヒ芸能7月16日号に掲載)