吉沢亮に草なぎ剛『青天を衝け』NHKが“ド級豪華キャスト”に踏み切ったワケ

日刊大衆

草なぎ剛・吉沢亮
草なぎ剛・吉沢亮

 7月10日、来年のNHKの大河ドラマ青天を衝け』のキャストが発表された。これまで吉沢亮(26)が主役の渋沢栄一を演じることは決まっていたが、今回のキャスト発表で、一気に20人の豪華俳優陣の出演が明らかになった。

 これを受けてツイッター上には「個性強いわぁ絶対いいわぁたまらんわ」「好きな人だらけで楽しみ」「キャストの顔ぶれが素晴らしすぎて期待が膨らむ膨らむ」と、歓喜の声があがっていた。まずはその豪華すぎるキャストをザッと見てみよう。

 若手陣は渋沢栄一の妻、尾高千代に橋本愛(24)、渋沢栄一の従兄弟、喜作に高良健吾(32)、その妻、よしは成海璃子(27)と、人気俳優が揃って実に華やか。そして、脇役も水戸藩主の徳川斉昭に竹中直人(64)、徳川慶喜の側近、平岡円四郎を堤真一(56)、さらに砲術家、高島秋帆を玉木宏(40)と、主役級俳優がそろっている。

 しかし、今回のキャスト発表でもっとも目を引いたのが最後の将軍、徳川慶喜を演じる草なぎ剛(46)ではないか。2017年以来の連ドラ出演のうえ、主役の渋沢栄一と絡む場面も多い大役だ。SMAP解散後は映画やYouTubeでの活躍が目立っていた草なぎの勇姿を、地上波のテレビで見られる久々の機会。注目を集めること間違いなしだろう。

 しかし、ここまで豪華キャストを列挙されると、昨年の『いだてん〜オリムピック噺〜』がどうしても頭をチラつく。というのも、『いだてん』も『青天を衝け』同様に大河ドラマにはイレギュラーな近現代モノで、阿部サダヲ(50)、中村勘九郎(38)のW主演に加え、松坂桃李(31)、星野源(39)と人気者ぞろいだったのだ。

 しかし、その『いだてん』が、全話平均視聴率8.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と、大河ドラマの最低記録を更新してしまったことは記憶に新しい。今回発表された『青天を衝け』の鳥肌ものの豪華キャストを見ると、『いだてん』のリベンジを狙っているのではないか思えてくる。

 実は『いだてん』以前から、大河ドラマでの近現代モノは当たらないと言われてきた。84年は太平洋戦争前後を描いた『山河燃ゆ』、85年には明治大正期を舞台とした『春の怒涛』、太平洋戦争後の話が描かれた86年『いのち』は近現代大河3部作といわれるが、これらは人気を得られず、『いだてん』まで実に33年間、近現代の話は敬遠されてきた。

■新しい大河ドラマを作りたいNHK

 そして、その法則通りに『いだてん』も不発に終わり、近現代モノは受けないということを再証明してしまった。だが、だからといって、手堅い時代ものばかりをやるわけにもいかない。戦国時代に明治維新と、人気の時代はすでにあらゆる切り口で取り上げられてしまっている。一方、平安時代と源平合戦を描いた12年『平清盛』が不調だったように、時代をさかのぼりすぎても人気を得られない。大河ドラマはネタ切れ状態であり、今後のためにも、近現代モノを開拓しなくてはならないのだ。

 また、『青天を衝け』は大河ドラマ60作目となる記念の作品。ここで『いだてん』のリベンジをはたし、「近現代モノでも受ける」という大河の新時代を作りたいという目論見が、NHKにあるのではないだろうか。そうなれば、『青天を衝け』に、最強メンバーをそろえたのにも納得がいくのである。

 それにしてもすごいのは、このキャスト発表がまだ第一弾ということだ。第二弾にも、人気俳優の起用が続くとすると、民放のドラマが出演者不足になってしまうのではないかと、心配になる。スタートはまだ先だが、『青天を衝け』は、早くも目が離せないドラマとなったようだ。(ドラマライター・半澤則吉)

「吉沢亮に草なぎ剛『青天を衝け』NHKが“ド級豪華キャスト”に踏み切ったワケ」のページです。デイリーニュースオンラインは、青天を衝けいだてん吉沢亮竹中直人成海璃子エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧