『半沢直樹』22%好発進も「正直乗れない」7つの「ん?」ポイント!
新型コロナウイルスの影響で、4月の放送開始が延期となっていたドラマ『半沢直樹』(TBS系)の初回が7月19日に放送。初回の視聴率は圧巻の22%(関東地区・ビデオリサーチ調べ=以下同)を記録した。
「『半沢直樹』は、2013年版の最終回で42.2%を記録し、平成に放送されたドラマとして1位の視聴率を記録。さらに、主演の堺雅人(46)の決め台詞“倍返し”が同年の新語・流行語大賞の年間大賞を受賞するなど、社会現象を巻き起こしました。
7月5日と12日の2週にわたって前作の特別総集編が放送されたのですが、事実上の再放送であるにもかかわらず前編が13%、後編で14.8%という数字を残して、同月19日の初回に弾みをつけていました。そんな期待が高まる中、22%と結果を残しました」(テレビ誌記者)
2013年版の最終回で、東京中央銀行の子会社・東京セントラル証券に出向となった半沢直樹。続編では東京セントラル証券での半沢が描かれる。
「初回の放送では、東京セントラル証券に大手IT企業“電脳雑伎集団”が、新興IT会社“東京スパイラル”を買収したいと申し出ます。東京セントラル証券にとってかつてない規模の大型案件だったのですが、電脳雑伎集団から突然、アドバイザー契約の交渉を一方的に打ち切られてしまう、というストーリーでした。
半沢の新たな戦いの始まりにSNSでは、“ものすごく興奮した”“見応えあった”など称賛の声が寄せられました。しかし、ドラマとは割り切っても、どうしても違和感を覚えてしまうシーンがいくつかあったんです……」(ドラマライター)
■半沢潰しの理由が曖昧
前出のドラマライターは「ん?」と違和感を覚えたシーンを7つ挙げる。
「まず、言っておきたいのは、今作も“さすが『半沢直樹』!”という濃厚な作りは健在で、とても面白かったです。銀行(証券会社)を舞台にした作品ならではの緊張感は前作そのまま、むしろ進化したと感じる場面もありました。ただ、前作から7年というブランクがあり、初回の第1話とあって、ちょっと気になるシーンもあったので、挙げていきたいと思います」
(※本記事は以下『半沢直樹』の第1話に関するネタバレを含みます。これからご覧になる予定のある方はご注意ください)
「まず、1話でのキーとなる市川猿之助(44)が演じる伊佐山泰二です。彼は、香川照之(54)が演じている大和田暁に忠実な部下でした。自身が慕っている大和田が頭取になれば、役員になれると考えていたようですが、前作で大和田が半沢に不正を暴かれてしまったため、その計画も崩壊。そのため、今作の冒頭で“あいつ(半沢)のせいで、あの土下座のせいで、何もかもがぶち壊しだ!”“半沢だけは絶対に許さねぇ”と威勢よく言いたてます。
しかし、SNS上でも、“どうしてあんなに半沢を恨んでるんだろう?”“あんだけ感情を表情に出すタイプは銀行では偉くなれないんじゃないか”といったコメントがありましたが、伊佐山の個人的な感情いきなり強調されてしまうのは唐突な感じもありますし、今ひとつ感情移入が難しいのではないか、と思いました。
また、慕っていた大和田のための復讐劇が展開されるのであれば、冒頭の伊佐山の怒りも理解できるのですが、彼は早々に大和田を裏切って、古田新太(54)演じる三笠副頭取に乗り換えてしまいます。大和田を裏切った以上、半沢を潰す理由がわかりにくくなり、ネット上でも“伊佐山が半沢をいじめる理由がブレブレ”と疑問を抱く声もありましたね」(前同)
■いきなりの顔芸に戸惑い
前出のドラマライターは続ける。
「伊佐山は、ドラマでの立ち位置だけでなく、演じた市川の演技も少しに気になりました。前作で、香川の“顔芸”が非常に話題になりましたが、第1話で、いきなり市川がその演技を継承。冒頭の怒号をあげるシーンや、案件を横取りしたことを半沢に気づかれた際の悔しそうな表情にインパクトがありました。
ただ、こちらがストーリーに入り込む前にいきなり顔芸をかまされるのも、なんだかなという印象を抱きました。市川の顔を抜くシーンが多く、“顔芸はやり過ぎ”といった声はネット上にもありましたね。また、前作の香川の熱演に比べると、迫力というか、演技の重みといったものが足りていないと感じてしまったのも事実ですね」
また、主演の堺にも多少の違和感があったという。
「先週まで前作の総集編をやっていたせいもあったのかもしれませんが、堺の老いが気になってしまいました。目元のシワが特にそうでしたが、顔のハリもなくなったように感じます。ただ、前作からすでに7年も経っていますし、老けるのは自然なこと。こればかりは仕方ないでしょうね」(前同)
今作では、 賀来賢人(31)が演じる森山ら、新キャラクターも登場する。そこにも気になる点があるというが……。
「前作では、半沢と同期入行である渡真利役の及川光博(50)と近藤直弼役の滝藤賢一(43)が親友同士としてドラマで重要な役割を果たしていました。1話では近藤は、シンガポールに長期出張中という設定になっていました。
しかし、序盤の居酒屋のシーンで半沢と渡真利と、もう1人近藤ではない人物がいきなり、普通に並んでいたんです。苅田光一という丸一太(44)が演じる半沢の同期なのですが、あまりにも唐突に登場したため、“半沢と渡真利の間に誰やねん!”といったツッコミがSNSに出てしまいました。
丸は、『下町ロケット』や『ブラックペアン』(いずれもTBS系)といった人気作にも出演するなど、活躍されている俳優なのですが、いきなり登場して広島弁でクダを巻いていたので、驚いてしまった人も少なくなかったようですね」(同)
■庶民派居酒屋で内部情報をペラペラ
描写でも気になるポイントがあったという。
「尾上松也(35)演じる瀬名洋介のIT会社“東京スパイラル”が出てくる場面でも違和感がありました。過去の回想シーンで役員2人が、瀬名に手書きの辞表を提出するシーンがあったんです。“東京スパイラル”は検索エンジンの開発と運用で成功を収め、日本でもトップクラスのITベンチャー企業という設定です。しかし、役員の2人がPCソフトで作成した辞表ではなく、手書きのものを出したため、“ベンチャーなのにど根性手書きの辞表”などとツッコミが相次ぎました」(前出のドラマライター)
そして主人公の半沢のシーンでも……。
「半沢が森山と大衆居酒屋に行くシーンがあるのですが、そこで“電脳雑伎集団”の“東京スパイラル”の買収案を話したり、資料を隠しもせずに広げたりしていました。横のテーブルまで1メートルもない、かなり狭く混み合う店でです。その後のシーンでも半沢は、渡真利と居酒屋の路上のテーブル席で、先の買収に際して東京中央銀行が1500億円の融資を決定したという話をしているんです。
のちに、“電脳雑伎集団”の“東京スパイラル”の買収は大ニュースとして報じられるのですが、それだけ重要な話を居酒屋でしてしまう、半沢たちの情報管理の甘さに驚かされてしまいました。ネットには“居酒屋で情報漏らしまくってるが百倍返しの前にクビになるぞ?”といった声もありました。その後、半沢は東京中央銀行に買収の情報を横流しした部下を追い詰めていましたが、居酒屋のシーンのせいであまり説得力がなかったですね(笑)」(前同)
■圧倒的な演技と濃厚ストーリーで倍返し!
最後にドラマライターはこう話す。
「いろいろ指摘しましたが、前作でも開始当初は、“ん?”と感じる場面はあった気がします。ただ、堺や香川らの名演技や、力強いストーリーのおかげで、そのうち細部の矛盾は気にならなくなっていました。
今後ストーリーが進むにつれて、7年ぶりに放送されるドラマの世界観にも慣れてくるでしょうし、今回の新たなストーリーにもグイグイ引っ張られるでしょう。出演陣の演技もそうで、特に堺の半沢直樹の演技は、回が進むごとに迫力が増してくるに違いない。抑え気味にスタートして、“倍返しだ!”のセリフとともに徐々に過激化し、リベンジを遂げたときに演技も爆発させるというカタルシスが待っているのではと。そうして気づけば虜になっていて、細部の違和感など感じさせなくなるのが、歴史的ドラマ『半沢直樹』でしょう」
『半沢直樹』は始まったばかり。多少の心配や批判の声は「倍返し」してほしい!