夏競馬は「若手騎手」で万馬券ゲット(下)アイビスSDは藤田菜七子に期待大

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藤田菜七子
藤田菜七子

 デビュー2年目の見習い騎手ながら、勝ち星を量産しているのが岩田望来(20)、団野大成(20)、斎藤新(19)の同期3羽ガラス。特に岩田は45勝をあげ、全国リーディング6位につけている。「週刊アサヒ芸能」連載コラムでおなじみの伊吹雅也氏が語る。

「理由はわかりませんが、とにかく左回りに強い。東京・新潟・中京の3着内率が30%なのに対して、その他の競馬場は21%ですからね」

 昨年7月13日の中京6Rの3歳未勝戦(ダ1400メートル)では、単勝145.4倍(13番人気)のバッカーノで3着。3連単607万8990円の高額配当を演出した。

「特に複勝回収率129%(同27%)の好成績を残しているダート1600メートル以下で狙いたいですね。今後は芝や中長距離のレースでいかに対応していくかが、さらなるステップアップのポイントだと思います」(伊吹氏)

 父はご存じ、岩田康誠(46)というサラブレッドだけに、バックアップ体制も抜かりはない。

「藤原英昭厩舎に所属しているので騎乗馬の質は高い。それに同志社大学乗馬部出身の藤原英調教師が直接指導していますから。以前、調教後の角馬場に2人がいたので何をしてるんだろうと思ったら、マンツーマンで教えていた。まるで乗馬クラブのコーチと生徒のようで、あんな光景は25年以上も栗東トレセンにいますが、初めて見ました」(栗東トレセン関係者)

 岩田望を「そのうち負かしたい」と、ライバル心を燃やしているのが団野だ。今年の函館ではリーディング争いを演じる活躍をしている。

「ルーキーイヤーの昨年は所属厩舎の馬房が函館になく、乗り馬が少ないため、厩舎回りをしていた。東の御大・藤沢和雄調教師のもとにも通い、管理馬のレッドサイオンで勝ったシーンが印象に残っています」(スポーツ紙記者)

 今年6月13日の函館日刊スポーツ杯では、東の高橋裕厩舎のファイブフォース(16番人気)で勝利するなど、ブレイク中の団野の狙い目は、意外にも差し馬に騎乗した時だ。

「若手騎手というと『前に行って粘るだけ』みたいなレース運びを連想してしまいがちですが、芝のレースで前走上がり3ハロンが1位だった馬に騎乗した場合、複勝回収率が127%(同47%)に達しています。ちなみに同条件で上がりが2~6位の馬でも複勝回収率は117%(同23%)です」(伊吹氏)

 ところで、この夏、競馬ファンを驚かせたレースのひとつがCBC賞だろう。単勝93.1倍で3連単244万4630円。その立役者のラブカンプー(13番人気)に騎乗していたのが斎藤だ。

「父は東の斎藤誠調教師ですが、所属は西の安田隆行厩舎。2世らしく、肩の力が抜けた騎乗ぶりが光ります。ラブカンプーのロケットスタートでもわかるように、芝でもダートでもサッと位置を取れるスタートセンスもある。今は体幹を鍛えているようで、追えるパワーが身につけば、さらに飛躍するでしょう」(スポーツ紙記者)

 そうしたセンスのよさは成績にも表れている。

「『真ん中あたりの枠』を得意としていて、芝のレースで4~5枠なら複勝回収率が102%(同24%)。加えて前走7着以内馬であれば、複勝回収率が147%(36%)まで一気にアップします。真ん中の枠は、内にも外にも動くことができる一方、スタートが苦手だったり、進路選びが的確でないと、このアドバンテージを生かせませんからね」(伊吹氏)

 今後も同期によるデッドヒートが楽しみだ。

 7月11日、デビューから通算100勝目を記録した西村淳也(20)も注目株の一人だ。今春の福島開催でリーディングに輝いたように、ローカルでおいしい配当を提供している。

「若手ジョッキーは総じてローカルのほうが成績がいいのですが、西村騎手はその傾向が顕著。中央場所の3着内率14%に対してローカルは26%。特に狙い目はローカルでの乗り替わりで、前走7着以内馬であれば、複勝回収率113%(同40%)です」(伊吹氏)

 とはいえ、騎乗技術はまだ粗削りのようで‥‥。

「つい最近も、あの穏やかな藤岡康太(31)からレース後に怒られていましたからね。100勝して減量が取れたこれからが勝負でしょう。厩舎に所属していないフリーですが、馬は集まると思いますよ。エージェントが東のリーディング1位の吉田隼人(36)も担当する甲斐弘治氏なので」(スポーツ紙記者)

 若手7人衆のトリは藤田菜七子(22)。2月の落馬骨折で出遅れたが、4週連続で勝利するなど、猛烈な巻き返しを見せている。

「ケガをした時は海外遠征も流れるなど、相当落ち込んでいました。ただ、周囲のアドバイスに従い、焦らずじっくりとリハビリに取り組んだことが今の好結果につながっているんだと思います。今年からベテランTMの久光匡治氏がエージェントについたのもよかったですね。関係は良好で、レース前後に意見交換する姿を頻繁に見ますし、位置取りにしても、流れに応じて一つ下げるなど、確実にうまくなっています」(スポーツ紙記者)

 今週末の重賞アイビスサマーダッシュには、ラブカンプーとのコンビで挑む。

「18年8月以降に限ると、JRAのレースで前走の4角を1番手で通過した馬に騎乗した場合、複勝回収率が82%(同27%)。このうち1400メートル以下に絞ると複勝回収率が93%(同32%)にアップします。今年の1月6日の中山1R(ダ1200メートル)では単勝21.8倍(9番人気)のドラゴンズバックを2着にもってきましたし、アイビスSDも期待していいと思います」(伊吹氏)

 波乱が起こる夏競馬は、7人の若手騎手から目が離せそうにない。

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