夏バテ&新型コロナウイルス撃退!「奇跡の郷土メシ」
新しい生活様式”が日常となる中、まもなく訪れる酷暑の季節。厳しい時期を乗り切る“地元の口福”を紹介!
どうやら今年も猛暑となることが確実のよう。しかも、新型コロナウイルスの脅威も、依然、残されたままだ。疾病を払うといわれる妖怪アマビエのご利益にあやかりたいところだが、ここは、しっかりと精のつくものを食べ、コロナや猛暑を吹き飛ばしたいところ。だが、何を食べればいいのか?
「実は、全国各地に根づいた“郷土メシ”の多くは、元気とパワーの源となる食材、栄養素がたくさん含まれているものが多いんです」と話すの管理栄養士のshocuicuco氏。たとえば、栃木県の『宇都宮餃子』である。「餃子はさまざまな栄養素をバランスよく一度にとれることもあり“完全食”といわれています。特に宇都宮餃子は、一般的な餃子と比べて野菜が多く、さっぱりとヘルシー。これがお目当てで宇都宮を訪れる観光客も多く、脂っこくなく胃への負担も軽いため、一人で2〜3皿を平らげてしまう人もいるほどです」(フードコーディネーター)
とにかく、これが夏バテ予防に有効な栄養素ばかりなのだという。「暑いからといって冷たいジュースやアイスばかりを食べていると、消化機能が低下して食欲がなくなってしまいます。結果、自律神経のバランスが乱れ、夏バテが起きやすい体になってしまいます。食べるべきは、胃腸の働きを向上させ、体を温める作用のあるもの。体温が上がれば免疫機能も向上し、健康な体作りができます。宇都宮餃子に欠かせないショウガに含まれるショウガオールや、ニンニク、ニラなどのアリシンは高い効果が期待できます」(管理栄養士の大山加奈惠氏)
前出のshocuicuco氏が「ホタテを入れると、さらに宇都宮餃子の栄養価がパワーアップしますよ」と、ちょい足しレシピを提案してくれた。「入れるホタテは缶詰で十分です。ストレスが多いと亜鉛の消費量が増すので、牡蠣に次ぐ亜鉛含有量で知られているホタテを食べることで、心身の疲労回復が期待できます。また、ホタテは心臓からの血流量を増やすタウリンも豊富なので、精力アップも期待できます」というから、今夜にでも試したいところだ。
お隣の茨城県の『そぼろ納豆』は、腸内環境を整えてくれるという。「納豆に切り干し大根を混ぜただけの単純な料理ですが、ともに食物繊維がたっぷりの食材。切り干し大根には、食物繊維が生の大根の約15倍も含まれるので、より効果的に善玉菌を増やしてくれるんです。人気教養バラエティ番組『林修の今でしょ!講座』(テレビ朝日系)で、“驚きの納豆パワーレシピ”に選ばれたこともあるんです」(フードライター)
これに、しらすと海苔をトッピングすると、驚きの効果があるという。「海苔のカルシウムや鉄分、しらすのセレンで血栓予防やアンチエイジング効果が期待できます。積極的に摂取すべきでしょう」(shocuicuco氏)
■アサリがたっぷり『深川めし』
また、駅弁などでもおなじみ、アサリがたっぷり入った炊き込みご飯、東京都の『深川めし』も夏に必要な栄養がたっぷりだ。
「アサリにはカルシウムやマグネシウム、亜鉛、鉄分などの不足しがちなミネラル分が多く含まれ、新陳代謝を促します。疲労回復に役立つビタミンB2、貧血に有効なB12も豊富。その他に含まれる、うま味成分のタウリンは、余分な中性脂肪や血中コレステロールを減らし、肝機能も強化してくれます」(食生活アドバイザー)
shocuicuco氏は「ビタミンB12と相性のいい葉酸を多く含む“枝豆”を一緒に炊き込むと、さらに夏バテ予防に役立つんです」と話し、こう続ける。
「葉酸は“造血ビタミン”とも呼ばれるビタミンB12と協力して働き、鉄分の吸収をアップして夏場のふらつきや貧血予防、スタミナアップ、肝機能の向上に役立ちます。さらに、葉酸もビタミンCも食物繊維も含むアサツキを上からかけ、さらに葉酸の豊富な春菊やホウレンソウのおひたしをつけたら完璧でしょう」
■『高知そうめん』がオススメ
“夏の昼食の定番”そうめんを食べるなら、シイタケの甘辛煮の他、さまざまな具をこれでもかと盛りつけて食べる、高知県の『高知そうめん』がオススメだという。「そうめんや冷やしうどんなど、夏に食べやすい麺料理ですが、麺はほぼ糖質です。そのため、それ単体では効率よくエネルギーに変換されません。体内で糖質をエネルギーに変えるために必要なのは、ビタミンB群やミネラル、鉄など。つまり、具や薬味などと一緒に食べて、それらを補うことで、初めてエネルギーが身につくんです」(前出のフードコーディネーター)
体力をつけたいと、麺単体をたくさん食べて糖質を取り込んでも、体内でうまくエネルギーが作られず、結果、体がだるくなってしまったり、ボーッとしてしまったりという状態に陥ることもあるというから、要注意なのだ。「すでにさまざまな栄養素がとれるので、プラスするものもないかと思いますが、シイタケを煮るときに一緒に、水分を切った豆腐を煮てみるのはいかがでしょうか。注意なのだ。他の具と一緒にカットしてそうめんにのせて、かつおぶしを散らします。亜鉛や鉄分がとれるだけでなく、豆腐にかつおぶしをかけて食べると、かつおぶしに含まれるビタミンDが働いて、カルシウムの吸収率がなんと20倍になるんです」(shocuicuco氏)
カルシウムは、骨や歯の主成分である他、筋肉の収縮を助け、精神の安定にも役立つ。生命維持に欠かせないミネラルの一つだけに、大いに参考にしてほしい、ちょい足しレシピだ。
暑さにやられて精をつけたいなと思ったときに食べたいのが、広島県の『アナゴ飯』だ。「アナゴには、感染症予防や目の疲れに効果があるビタミンAや体のだるさを解消してくれるカリウムが多く含まれています」(前出の食生活アドバイザー)
■宮崎の健康食『冷や汁』
そして食欲のない日や、暑い夏の日に食べたい、宮崎県の『冷や汁』も、暑い中でも元気が出るようにという知恵から生み出され、伝承されてきた健康食だ。「味噌ベースのだしにすりごま、キュウリや地場の魚、豆腐などを入れ、ご飯にかけて食べるという、シンプルな冷たい汁もの料理ですが、実はタンパク質を効率的に摂取できるようになっているんです」(前出のフードライター)
タンパク質は、筋肉や内臓、血液、皮膚、骨などを作るうえで欠かせない栄養で、不足すると疲れやすい体になってしまうという。「タンパク質は体に蓄えることができないので、毎日、しっかり摂取することが大切なんです」(前出の大山氏)
この冷や汁の効果を倍増させるなら「サバの味噌煮缶やモヤシ、すったヤマイモ、ウズラの卵に、ニンニクとショウガのチューブを、ちょこっと入れるといいでしょう」とshocuicuco氏は話す。「サバ缶には、血液をサラサラにするEPAが多く含まれ、さまざまな生活習慣病への効果が期待できるうえに、不足しがちなビタミンDも含まれる。また、ゴマとモヤシに入ったカルシウムが、骨を丈夫にしてくれます。“山のウナギ”ともいわれるヤマイモは滋養強壮食の代表ですし、小さくても栄養価の高いウズラの卵は、脳の活性化に役立つレシチンが多い。脳の活性化は、自律神経の回復を促しますから、夏バテの予防になるんです」(前同)
ご飯にかけてもいいし、そうめんのつけ汁としてもオススメだというから、ぜひ試してもらいたい。
最後に、大山氏が今年のコロナ禍の夏を乗り切るために、さらに、こんなアドバイスをくれた。「食事の際は、消化機能を向上させるために、よく噛んで食べてください。夏を乗り切るには、十分な睡眠が不可欠です。消化にエネルギーを使われると脳が休まらず、質の良い睡眠になりません。就寝の2時間前には食事を終わらせておくことも大事なんです」
食べて眠って夏に勝つ!