深海底の堆積物に閉じ込められていた1億年前の微生物を復活させることに成功。エサをあげると増殖を開始(日本研究) (1/3ページ)

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深海底の堆積物に閉じ込められていた1億年前の微生物を復活させることに成功。エサをあげると増殖を開始(日本研究)
深海底の堆積物に閉じ込められていた1億年前の微生物を復活させることに成功。エサをあげると増殖を開始(日本研究)

1億年前の微生物を復活させる/iStock

 昔から研究者が海底に積もった太古の堆積物を集めてきたのは、過去の気候や海洋プレート、あるいは深海の生態系といったものを知るためだった。

 そのような堆積物の中に1億年も閉じ込められていた微生物が発見されたのは10年前のことだ。恐竜のいた白亜紀の時代から囚われの身だったというのに、その微生物はエサを与えられると目を覚まし、増殖を開始したそうだ。
・1億年以上眠っていた微生物の発見

 恐竜時代から生き続けてきた微生物を発見したのは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)や高知大学をはじめとする研究グループだ。

 同グループは10年前、「南太平洋環流」という海洋生物のエサとなる栄養に乏しく、世界的にも生産性が低い海域を調査し、古い堆積物を採取していた。

 海底には堆積物の層が形成されている。それは風や海流によって運ばれてきたマリンスノー(プランクトンの死骸や排泄物などでできた白い有機物)、ちり、粒子といったものが降り積もったもの。

 海洋掘削船で計7か所、水深3700~5700メートルの海底からさらに地下75メートルまでの堆積物コアを掘削したところ、430万年前から1億150万年前までの地層すべてに微生物がいることが判明した。


1億年前の地層から生きた微生物を発見! JAMSTEC 諸野祐樹主任研究員

・微生物は生きているのか、死んでいるのか?

 ただし当時、発見された微生物がまだ生きているのか、それともただの死骸なのかどうかまではわからなかった。

 堆積物は非常に細かい粒子でできており、隙間に乏しい。そのために、微生物は動き回ることができず、閉じ込められていたと考えられる。
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