及川光博『半沢直樹』怪演だらけのカオスで見せる癒やしと良心 (2/2ページ)
そして、誰かが叫んだり恫喝したり慌ただしい絵面の中、穏やかに半沢を助ける渡真利忍(及川光博/50)の癒しオーラたるや! 半沢のムチャ振りに苦笑いしながら、東京中央銀行の貴重な情報とアドバイスを送ってくれる。普通、あそこまで自分の時間を割いて協力できる? なんていいやつなのだ、渡真利は。その優しくユーモラスな人柄と、演じている及川光博の個性がベストマッチ。2013年版では、ギリギリまで「彼が裏切り者ではないか」と疑惑の目で見ていたことを謝りたい。
■『半沢直樹』前作とは違う“型”が絶妙!
さらにもう1人、忘れてはいけない。のったりと湿気たっぷりの関西弁で半沢の神経を逆ナデする南野陽子(53)の存在感を! スケバン刑事2からほぼ変わらない奇跡の美貌で、濃い男性陣をのらりくらりとかわす威厳たるや。今後もあのセリフ回しで、どう東京セントラル証券にネチネチ絡んでくるか楽しみすぎる。このように暴れまくる中年を、賀来賢人(31)や今田美桜(23)といった若手が、淡々と良い演技を見せて支えるという図式も見事だ。
パート1は父親の敵という「私怨」が軸だったが、今回は「子会社のプライドを見せてやる!」というチーム戦である。フットワークの軽い若手社員がプランを立てて動き、そこに三木や渡真利など、飛び道具や協力者が決め手の情報を持ってくる。半沢がそれを整理し、一番言いにくいことを権力者に対してズバリと啖呵を切る、というワンチームな流れが最高に気持ちがいい!
一番怖いのは、コロナ第二波による撮影ストップと放送延期だ。お願い、今、延期になったら次回が気になりすぎて、かなりストレスが溜まる! このまま継続して見られますように。
今回の『半沢直樹』は、いっさい見逃し配信はしていないのだ。録画もいいが、やはりリアルタイムで見たい。今度の日曜日が楽しみだ。(田中稲)