歴代総理の胆力「安倍晋三(第2次)」(1)再登板後は第1次政権の手法をかなぐり捨てた (2/2ページ)

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 また、その「アベノミクス」続行のため、熊本県を震源とした最大震度7の地震災害などから景気後退に苦慮、予定していた消費税増税を2回も延期するという異例な策も取った。これには、官邸を支える副総理兼財務相との間に、「安倍の判断に麻生は不満、二人の間にスキマ風が吹き始めた」(官邸詰め記者)との声も出たのだった。

 さらに、そうした一方で、特定秘密保護法、安保法制としての集団的自衛権行使の個別的容認といったそれまでの歴代政権が踏み出さなかった法案を強行成立させるなど、「右舵路線」を直進した。

 加えるなら、中央官庁の事務次官、局長はもとより審議官以上の幹部の人事権を握る(政治任用)「内閣人事局」を創設、これにより官僚は政権の意向に異論をはさむことが難しくなった。「法の番人」内閣法制局もこの対象となることから、政策推進の際の法的根拠は常にこの「番人」が守ってくれることになったワケである。

 やがて、政治家と官僚との関係で、少なくとも表沙汰になることのなかった官僚による政治家の意向を思いやる、「忖度」という言葉も生まれることにもなったのだった。

■安倍晋三の略歴

昭和29(1954)年9月21日、東京都渋谷区生まれ(本籍地は山口県)。神戸製鋼所入社後、父親の安倍晋太郎外相の秘書官。平成5(1993)年7月、衆議院議員初当選。平成18(2006)年9月、第一次内閣組織。「再登板」は吉田茂以来64年ぶり。

総理大臣歴:第96代 2012年12月26日~ 

小林吉弥(こばやし・きちや)政治評論家。昭和16年(1941)8月26日、東京都生まれ。永田町取材歴50年を通じて抜群の確度を誇る政局分析や選挙分析には定評がある。田中角栄人物研究の第一人者で、著書多数。

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