「バチが当たったのよ」ホームレス遺体発見現場で聞いた“台風一過”の罵声 (2/2ページ)
泥で汚れたゴム長靴を履いて河川敷を散策している男性が、悲壮な表情を浮かべて、
「一人、台風の後から見当たらないんだよね。近くに住んでる人だったんだけど。ずっと探してるんだけど見つからない……」と話してくれた。
野宿生活をしている人が流されても、本当にいなくなったのかどうか確かめようがない。だから、なかなか捜索もしてもらえない。
後日、その男性かどうか確証はないが、ホームレスの男性が遺体で発見された。
ホームレスの小屋が並び建っていた林の中へは、泥が深くてとても入っていけなかったため、仕方なく橋の上から見下ろしてみた。
ところどころに青いビニールシートなど残骸が見えるが、ほとんど全て流されてしまったようだ。ちなみにここは、現在もそのまま放置されている。
ずっと取材をしてきた場所が、無残な状態になっているのを呆然と眺めていると、高らかな笑い声が聞こえてきた。
「わはははは、こいつらバチが当たったのよ!! 勝手に一級河川に住んで!! 全然かわいそうじゃないぞ!! むしろざまあみろだ!!」
80歳前後であろうおじいさんが、口角泡を飛ばしながら怒鳴っていた。
話を聞くと、台風でホームレスの小屋が流されたのを確認するために、わざわざ自転車に乗ってやってきたのだという。普段から、河川敷にホームレスの人たちが住むのを憎々しく思っていたのだという。
被災したばかりの人たちに対し、強烈な悪意を放っている老人を見て、心の底から怖いと思った。
今年は、台風の被害が出ないことを心から祈る。
(写真・文/村田らむ)