堺雅人（４６）主演の『半沢直樹』（ＴＢＳ系）の勢いは止まらない。８月３０日放送の第７話の世帯平均視聴率が２４．７％（関東地区世帯・ビデオリサーチ社調べ）を記録し、最高視聴率を更新し続けたまま、物語は佳境へと突入したのだが……。

「９月６日放送予定だった第８話が、放送延期となりました。８月中旬にスタッフの１人がコロナに感染したり、コロナ禍による撮影の遅れが原因です。次回予告の時点で、香川照之（５４）演じる半沢の宿敵・大和田常務との共闘や、オネエのマルサ・黒崎（片岡愛之助）が新たな動きを見せるなど、見どころが盛りだくさんでしたが、一週間のお預けですね」（専門誌記者）

　しかし、新たな楽しみもある。代替番組として９月６日にキャスト、スタッフによる１時間の生放送番組が放送される。詳細は明かされていないが、堺や香川を筆頭に、ふだんはバラエティ番組ではお目にかかれない俳優陣が集結するのでは、とＳＮＳでは期待の声が高まっているのだ。

「堺は『半沢直樹』の第１話放送直前の７月１７日に『ぴったんこカン・カン』で妻役の上戸彩（３４）と出演したり、放送開始後に『王様のブランチ』や『音楽の日２０２０』に出演していますが、片岡愛之助や香川ら共演者と比べて、バラエティへの出演は少ない。番組の看板的というべきの堺と香川がそろって出演したのは、７月４日のトークバラエティ『Ｍｒ．スーツマン』くらいです。そういう意味でも、半沢以外での２人の絡みに期待する人が多いですね」（前同）

■かつては多くの作品で共演したこともある香川と堺

『半沢』で香川演じる大和田常務は、１３年放送のシーズン１では事実上のラスボス。本来なら半沢の宿敵だが、今回は利害関係の一致から共闘する機会が多く、最新の第７話でも名シーンが生まれ、大いに話題となっていた。

「ものすごくイヤそうな声で“お～ね～が～い～し～ま～す”と大和田に共闘を申し出たり、料亭で裏切り者・曾根崎（佃典彦）をまるで歌舞伎の掛け合いのように２人で“さぁ！”さぁ！”と黒幕の情報を迫ったり、まさに“サラリーマン歌舞伎”（笑）。香川も放送後、該当シーンを“堺さんも完璧な間の取り方でしたｗｗ”としています。こうした息の合った名演技から、堺と香川がかつて共演していた映画やドラマに再注目するファンも多いですね」（前出の記者）

　堺と香川は、黒澤明の『用心棒』がベースの０７年の映画『スキヤキ・ウエスタン　ジャンゴ』でシーンは少ないが共演していたり、１０年の映画『ゴールデンスランバー』では“首相暗殺の濡れ衣を着せられた男（堺）”と、“執拗に堺を追い詰める刑事”で対決したりと、『半沢』以前にも、何作か共演したことはあった。

　特に、気軽に楽しく観れる映画として名高いのが、１２年の映画『鍵泥棒のメソッド』だ。

■大根役者の堺を香川が鬼指導!?

　ＳＮＳでは《半沢直樹で半沢と大和田のやり取り観てたら映画『鍵泥棒のメソッド』また観たくなった》《半沢直樹見たら堺雅人と香川照之の過去共演作見たくなった》《“半沢直樹”にハマっている皆さんに…もしまだ観てなければ堺雅人＆香川照之共演の『鍵泥棒のメソッド』も観てほしい》と、賑わっている。

「堺は、冴えない元劇団員の青年・桜井を、香川は謎の殺し屋・コンドウをそれぞれ演じています。冒頭で香川は銭湯で転んで頭を強打し、記憶喪失に。しかもロッカーのカギが桜井と入れ替わってしまい、コンドウは自分を“売れない役者の桜井”とカン違いしてしまう……。という導入から始まる映画です。映画内の堺はひどい大根役者の役で、終盤記憶が戻った香川が堺に“殺されたフリ”を演技指導する場面は、完全にコントのノリでした（笑）。ちなみに、ヒロインの広末涼子（４０）は、１３年のドラマ『リーガル・ハイ』（フジテレビ系）で堺と共演しています」（映画ライター）

　序盤からさり気なく貼られていた伏線、香川と広末のラブロマンス、“殺し屋・コンドウ”を演じようとするもことごとくマヌケな行動を連発する堺などなど、多くの見どころがある作品だ。

　第８６回キネマ旬報ベスト・テンで日本映画脚本賞、芸術選奨文部科学大臣賞、３６回日本アカデミー賞・最優秀脚本賞を受賞しているほか、キャストは異なるが１４年に舞台化されたり、１６年には韓国でリメイク映画が作られている。

「９月１８日に、日テレの『金曜ロードＳＨＯＷ！』で１４年の『名探偵コナンＳＰ　江戸川コナン失踪事件 史上最悪の二日間』を再放送するんですが、これは『鍵泥棒のメソッド』の後日談で、香川と広末がやはり“コンドウ”と“香苗”として出演するんです。桜井は出番が少ないため堺ではなく代役が声優を務めていますが、この予習のために『鍵泥棒』を観ているファンも多いですね」（前同）

　山場で延期となってしまった『半沢直樹』。しかし、焦らされればそれだけに続きが気になってくるものだ。今回の延期で、第８話はさらに目が離せないものになるだろうーー。