ヒロシ流「気分次第でやりたいことを」“初めてのソロキャンプ”入門編
一人でキャンプへ。このストレス社会における究極のレジャーだろう。ソロキャンパー芸人として、再ブレイクを果たしたヒロシ氏が、初心者のための基本的なノウハウを、分かりやすくレクチャー!
■気遣い不要で干渉されない!それがソロキャンプの価値!
「今、キャンプは細分化されています。その中で、僕が注目してもらっているのは、芸能界で早くからソロキャンプを始めたからでしょう」 こう分析するヒロシ氏。
確かにテレビで見かける芸能人のキャンプは、男女グループで賑やかに楽しむスタイルが多い。だが、そんなキャンプをやりたい人ばかりとは限らないのだ。
自虐ネタ芸人としてブレイクしていた時期に比べ、テレビにあまり出なくなった彼は、5年ほど前からユーチューブでソロキャンプ動画の配信を始めた。今では、それが世代を問わず多くの人に視聴され、共感を呼んでいるのだ。
“ソロキャンプ”とは、たった一人でキャンプをすることだ。行きも帰りも、食事も寝るときも一人。そこに価値があるのだ。「僕は48歳なんですが、50歳を過ぎてからも人間関係の中で窮屈に暮らしている人は多いんじゃないかと思います。人に気を遣ったり、誰かに合わせるのは職場で十分じゃないですか。自分の時間ぐらいは、やりたいように過ごしたい。ソロキャンプでは、それができるのが大きな魅力ですね」
また、人と接しないということは、3密を避けることもできる。今の時代にも適したレジャーなのだ。
■気分次第でやりたいことをやる
ところで、キャンプに行って、ヒロシ氏は何をしているのだろうか?「決まった流れなんてないんです。気分次第でやりたいことをやる。やりたくないことはやらない。それこそが最高のぜいたくです」
国内外で多数のソロキャンプ経験があり、信州登山案内人でもある山岳写真家の杉村航氏は、写真はもちろん、渓流釣りもエキスパートの本格派だが、ヒロシ氏の意見に深くうなずく。
「ヒロシさんの考え方に賛成です。キャンプに行ってできることはいろいろありますが、別に何もせずに、一人の時間に浸るだけでもいいと思います」
つまり、ソロキャンプはすべてが自由であり、自分次第なのだ。したがって、別に泊まる必要もない。日帰りのプランだってOKだし、天候がいま一つで家に帰りたいと思ったら帰宅してもいい。ただし、消火など、キャンプの撤収作業には、時間がかかる点には注意だ。
「なんだかんだ、荷物をコンパクトにしても、1時間はかかります」(ヒロシ氏)
■キャンプ場選びもグッズ選びもすべては“自分次第”で決まる!
「実は去年、山を買ったんです。手つかずの山なので、今は、そこにキャンプしながら、少しずつ開拓しています。でも、普通のキャンプ場に行きたいなって思ったら、行きますよ。そこも気分次第なんです」
そんな彼は、初心者のキャンプ場選びについて、こう語る。「まずは、何がしたいかですよね。最初はネットや本で、そこに絞り込んで、できそうな環境のキャンプ場を探せばいいと思います。下調べすること、必要な持ち物を考えることもキャンプの楽しさですから」
ただ、初心者は経験の浅さから不安も多いだろう。その点について、前出の杉村氏は、こうアドバイス。
「初心者は車を横づけできるオートキャンプ場が無難でしょう。荷物を多めに持って行っても、持ち運びが楽ですし……」
■ソーシャルディスタンスが保たれたキャンプ場
また、ソロキャンプならではの注意点も。「隣に賑やかなグループが来たりすると一人の時間に浸れないですから、テントの設置場所が横並びなっていない、ソーシャルディスタンスが保たれたキャンプ場がいいでしょう」(前同)
次は、気になる道具について。ヒロシ氏はミリタリー感や使い込んだ道具が好きで、それをコツコツと収集。高級な道具をそろえているわけではない。
「動画を見ると、ヒロシさんは作業時に皮手袋を使っていました。布製の軍手でも十分ですが、革製品や金属製品は使い込んでいくと味が出てくる。そうしたこだわりを持つのもカッコいいですね」(同)
ただし、それもヒロシ氏が好きだから、やっているだけ。ここにも“こうしなきゃいけない”はない。
■焚き火を見つめながら食べるメシは格別だし、酒もうまい
ソロキャンプで、食事は欠かせない一大イベントであり、大きな楽しみになる。「一人ですから、好きなときに好きなものを食べればいいんです」(ヒロシ氏)
そこにも決まりは、ほとんどない。キャンプ初心者なら、欲張りすぎないのが得策だが、どうしてもやりたければ、凝ったメニューに挑んでもいい。また、翌日に差し支えない程度に、好みの酒をしみじみ嗜むのもいいだろう。
キャンプ場での調理とセットになるのが焚き火だ。「何もしなくても、焚き火があればいい」(前同)
調理だけなら、バーナーやカセットコンロでもなんとかなるが、焚き火は暖房や癒やしを兼ねたもので、他には代えがたいのだ。
なお、焚き火の際は、火打ち石を使用して着火するソロキャンパーも多い。原始的なやり方で起こした火には、ロマンがあるのだ。「ただ、火打ち石で火を起こしたり、焚き火を安定させるのは初心者には難しい。念のため、ライターや着火剤は持っていったほうがいいと思います」(杉村氏)
■安全面の注意事項
最後に、安全面の注意事項を確認しよう。「管理されているキャンプ場なら、それほど危険はないですが、注意すべきなのは、熱中症と虫刺されですね。付け加えるなら、初心者が真冬に行くのはキツいので、まずは春から秋にかけて行くのがいいと思います」(ヒロシ氏)
また、杉村氏は経験上、風にも注意したいという。「風が強いと焚き火の火が燃え広がったり、寝るときに音が気になって眠れなくなることがある。初心者は予報を調べて、風が強い日を避けたほうがいいかもしれません」(杉村氏)
最低限の注意事項と常識的なマナーを守れば、あとは、すべて自由。心の開放を求めて、ソロキャンプに出かけようではないか!
ヒロシ 1972年1月23日、熊本県生まれ。自虐ネタ芸人として2004年頃にブレイク。近年はソロキャンプ活動が注目を集め、自らが撮影・編集を行う、ユーチューブの『ヒロシちゃんねる』は登録者数が85万人に迫る勢い。現在、BS朝日『迷宮グルメ異郷の駅前食堂』にレギュラー出演中。新刊『ヒロシのソロキャンプ』(学研プラス)。