触れただけで地獄の痛み、猛毒植物「ギンピ・ギンピ」からまったく新しい神経毒を発見(オーストラリア) (1/3ページ)
ギンピ・ギンピの猛毒の正体が明らかに image by:University of Queensland
オーストラリアにはオーバーキルにもほどがある猛毒を持つ生物が数多く潜んでいる。毒グモ、毒ヘビ、毒クラゲはもちろん、植物だって油断ならない。
オーストラリアに自生するイラクサ科の「ギンピ・ギンピ(学名 Dendrocnide moroides)」は、地球上の植物では最高クラスの猛毒を持つ危険なやつで、葉や枝に触れたら最後、神経毒を送り込まれ、地獄の痛みを味わうこととなる。その苦痛は2年にも及ぶというのだからたまらない。
これまで、何がそんなにも強烈な痛みを引き起こしているのか謎だった。だが今回の研究でその神経毒の正体が明らかになった。
それは、これまでまったく知られていなかった新しいペプチドだったそうだ。
・想像を絶する痛みが長期間続く。ついたあだ名は自殺植物
ギンピ・ギンピの表面には、びっしりと刺毛が生えている。その為、うっかり葉や枝に触れてしまうとそこから神経毒が送り込まれ、想像を絶する苦痛でのたうち回るハメになる。
そのせいでついた名前が「スーサイド・プラント(自殺植物)」だ。
ギンピ・ギンピ image by:Institute for Molecular Bioscience, University of Queensland
実際に死ぬことはないらしいが、その痛みは熱した酸を浴びせられ、それと同時に感電したかのような激痛であるそうだ。
植物学者のアーニー・ライダーは、1963年にうっかりギンピ・ギンピに触れてしまったときの経験をこう語っている。
2、3日は耐えがたい痛みで、動くことも眠ることもできませんでした。その後も2週間はひどい激痛です。