あらん限りの口汚い言葉で悪態をつく動物公園のヨウム、子供に悪影響が出ると一般公開中止に(イギリス)

口汚い言葉で悪態をつくヨウムが一般公開中止に image credit:Lincolnshire Wildlife Park/Facebook
とても知能が高く、人の言葉をよく覚えることで知られている大型インコ、ヨウムだが、その賢さが仇となってしまったようだ。
イギリス、リンカンシャー州にあるワイルドライフパークに8月にやって来たばかりの5羽のヨウムだが、一般公開されるもすぐに裏に隔離となってしまった。
5羽は来園客や飼育員らにFワードなど、あらん限りの口汚い罵りの言葉を浴びせていたようだ。『Lincolnshire Live』などが伝えている。
・5羽の新入りヨウム、Fワード連発
イギリス最大の動物保護区のひとつとして知られているリンカンシャー州の野生動物公園『リンカンシャー・ワイルドライフ・パーク(Lincolnshire Wildlife Park)』には様々な動物が飼育されているが、中でも鳥の保護に力を入れており、園内に2003年にオープンしたフリスクニー・パークでは約2000羽以上ものオウムを含めた鳥類が飼育されている。
ここに、今年8月15日に5羽のヨウムがやって来た。5羽の飼い主はそれぞれ異なっていたが偶然にも受け入れる時期が同時であり、園側は検疫のためにこの5羽を一緒の囲いで飼育していた。
しかし、5羽のうちの数羽が卑猥な言葉や罵りの言葉を発し、他のヨウムも真似るようになった。
園の最高責任者スティーヴ・ニコルズさんは、英メディアのインタビューで次のように話している。
園に保護されるオウムやヨウムの元の飼い主は、イギリスだけでなく世界中にいますから、頭のいい鳥が飼い主の言葉を真似たりすることは不思議ではありません。
過去25年にわたり園を運営していますが、これまでにも少々口汚いヨウムを飼育したことがあり、職員は慣れていますので、今回のヨウムが罵り始めたのを聞いても、驚きはしましたが面白いとさえ思いました。
しかし、5羽が互いに罵り合うという状況に我々が笑って応えてしまうと、ヨウムは調子にのって更に口汚くなってしまいます。また、同じ囲いに入れているので、1羽が罵るともう1羽が笑い、という状態で、またそれを他のヨウムが真似るというまるでコントのような感じになってしまうのです。
私自身も、この5羽の前を通り過ぎた時に、Fワードを浴びせかけられ、「太った馬鹿野郎」とまで呼ばれました(笑)
園側は、この5羽を一般公開にしたが、やはり20分も経たないうちに来園客に向かって罵りの声をあげたようだ。
グループ客にはあらゆる侮蔑の言葉をFワードで並べ立て、ある少女には口にできないほど卑猥な言葉を投げかけたという。
・子供たちへの悪影響を配慮し、5羽は裏に隔離に
ニコルズさんによると、ほとんどの来園客は5羽から頻繁に発せられるFワードを面白がり、罵られると笑って罵り返すという状態だったそうだ。
しかし、週末は子供たちの来場も増える。このままでは保護区は言葉遣いの点でいうと「大人オンリー」に適した場所となってしまい、子供たちには悪影響だ。
ということで、5羽はバックヤードへ隔離されることが決まったようだ。
正直、コロナのこの時期、より多くの人を笑顔にできたらという思いがありました。そういう点では、ヨウムは来園客に笑いをもたらしてくれたのですが、やはり子供に悪影響があってはならないので、隔離することにしました。
バックヤードでは、5羽をそれぞれ引き離して別のヨウムと一緒にするつもりです。そうすれば、他のヨウムから少しは上品な言葉を学んでくれるのではないかと。しかし、ヨウムはあらゆる音や発生を学ぶことが得意な鳥ですから、どうなることやら。(ニコルズさん)
客の手前、お下品なヨウムを一時的に一般公開中止としたが、ニコルズさんは「園に笑いをもたらしてくれて、この辛い時期に職員の癒しになっている」と明かしている。
・オウムのチコちゃんも大人気に
コロナのパンデミックにより、園の運営は現在厳しい状況だ。しかし、5羽のヨウムの1件でかなり人気になったようだ。
くわえて、園にはチコちゃんというオウムもおり、このチコちゃんはビヨンセの歌声が得意ときている。
力を込めてビヨンセの『If I Were A Boy』を披露するチコちゃんに、来園客は笑いを隠せない。
チコちゃんの元飼い主はビヨンセの大ファンだったそうだ。他にも、レディー・ガガやクイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの歌真似をするオウムもおり、園内はなかなか賑やかだというニコルズさん、「今年は大変な年ですが、少しでも笑顔で終わることができそうです」と語っている。
written by Scarlet / edited by parumo