角川春樹 松本穂香と奈緒は「みをつくし料理帖」をきっかけに大女優になってほしい (2/2ページ)
テリーさんもご存じだと思うけど、あんなのほとんどウソだからね。
テリー アハハハ。
角川 ところが、今回の現場は本当にそれに近かった。特にスタッフには、「監督、ああしていいですか」「こうしていいですか」っていうことは、どんどん自由にしゃべってもらってね。例えば、冒頭の2人が走っていくところでシャボン玉が流れていくシーン。あれは小道具の人がアイデアを出してくれたんです。
テリー あ、そうなんだ。
角川 で、今回は役者も舞台俳優が多いでしょう。石坂さん、浅野温子、若村麻由美‥‥。
テリー 中村獅童さんも。
角川 そうそう。舞台俳優は、舞台に立ってる時はバックにいても演技をしなきゃならないけど、映画スターのそばにいる映画の役者は、ただ立ってるだけ、ただ座ってるだけで背景になってないんですよ。舞台は、主演以外のみんなが動いて背景を作ってるわけ。
テリー なるほど。
角川 だから今回は、撮影しながら直したり、迷ったりということもほとんどなくてね。「ここは遠景で撮る」「ハイスピードで撮る」というようにカメラワークもシナリオの前にできちゃってたからね。
テリー じゃあ、もう現場は本当にスムーズに。
角川 うん。シナリオもすごく計算して、これは決して悪い意味での計算ではなく、どうしたら人の感情をつかむことができるのかを考えて書いたから。しかも、独りよがりではなく、観客目線でね。だから現場は、いわゆる緊張感はあっても、まったくギスギスしてなかったんだよ。