血清を届けるために吹雪の中を走る!走る!アラスカの町を感染症から救った英雄犬、バルトの物語 (1/4ページ)

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血清を届けるために吹雪の中を走る!走る!アラスカの町を感染症から救った英雄犬、バルトの物語
血清を届けるために吹雪の中を走る!走る!アラスカの町を感染症から救った英雄犬、バルトの物語

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 1925年、アラスカ州北端にあるノーム市で致死率の高いジフテリアが流行し、住民たちが死の危険にさらされた。

 唯一の治療法である血清が、極寒の中、多数の犬ぞりチームのリレーによって届けられ、風雪に閉ざされた町は危機一髪で救われた。

 今でもノームの人々は、そのときに活躍してくれた犬たちに感謝の気持ちを忘れない。この物語は、吹雪の中大役を果たした犬ぞりチームの犬たちと、リレーの最後の区間を輸送したチームのリーダー犬、バルトの物語である。
・血清を届けるため、犬ぞりチームが結成される

 1925年1月、ノーム市の医者は、住民の一部にジフテリアの症状がみられることに気がついた。医師たちが戦々恐々とするのは無理もなかった。1921年までに、この鼻と喉の感染症で1万5000人以上のアメリカ市民が死亡していたからだ。

 治療のほとんどはアメリカの中心部でしか行われていなかったため、ノームを住民を危機に陥れた。ノームの場合、800キロ以上離れたアンカレッジまで行かないと血清治療は受けられなかったが、冬の吹雪が吹き荒れるアラスカの過酷な気候のせいで、飛行機が行き来できる状態ではなく、深刻な状況が差し迫っていた。

 そこで立ち上がったのが、犬ぞりのマッシャー(操縦者)たちだ。

 アンカレッジとノームを結ぶ道は、アラスカの荒野を全行程1,100キロも突っ切って行かなくてはならないが、何度か分割して運べば、それほど時間はかからないはずだ。この深刻な状況では、もう一刻の猶予もなかった。

 1925年1月27日に、マッシャーの"ワイルド・ビル"ことシャノンがこの任務を開始し、犬ぞりチーム20組が結成され、そりに血清を積み込み、ノームまでの厳しい道のりを進み始めた。
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