有村架純、ドラマ『姉ちゃんの恋人』での“ズルさ”と“温かさ” (2/2ページ)

日刊大衆

 また、桃子が家族にテレビ電話をすることで、弟たちの紹介をしつつ安達家の仲の良い様子を伝えるという、自然な流れが秀逸だった。

 登場人物の全員が、ささやかな幸せを喜んだり目標のために頑張ったりしている、いわゆる一般的な日常を生きる人ばかり。穏やかで普通の幸せを望む人たちに、親近感を感じてしまう。

■恋のはじまり方があまりに自然だった

 桃子が恋をするのは、職場の同僚・吉岡(林遣都)。部署が違うため別々の日常を送っていたが、部署を横断した社内会議で出会う。会議では、クリスマスの店内装飾について様々なアイデアが出されたが、吉岡の考え方が桃子も同じだったことに心が動いていく。それも、『本物の、大きな、もみの木のツリー』というのがよくて、地に足をつけて生きている桃子、そして吉岡の『心の根っこ』が同じように感じられる、とても素敵なエピソードだ。桃子自身もそれを感じていて、久しぶりに会う親友とする恋バナの途中、これをふと思い出してしまうような淡い感情になっていることに、ジワジワと恋の始まりを感じさせた。

 その後も、偶然にも河川敷で会ってお互いの家族の話をするなど、ありふれた日常に起きる小さな欠片みたいな出来事が、少しづつ重なっていくのだが、桃子と吉岡の少しぎこちない雰囲気が微笑ましい。家族や職場の同僚に愛される桃子を、視聴者も親身になって応援して見守りたくなる。今後の展開が楽しみだ。(文・青石 爽)

『姉ちゃんの恋人』は、2019年に紫綬褒章を受章した脚本家・岡田惠和氏によるオリジナルのラブ&ホームコメディードラマ。安達桃子(有村架純)は高校3年生の大学受験の日に両親を事故で亡くしたことで進学を断念してホームセンターに就職した。年の離れた3人の弟たちを立派に育てるため、一生懸命に日々を過ごしている一家の大黒柱。長男・和輝(髙橋海人)は農学部に通う大学生、次男は高校生、三男は中学生、全員明るくて仲良の良い家族だ。そんな桃子が職場で出会った吉岡真人(林遣都)に恋をすることで、家族や職場、友人たちを巻き込んでいく。
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