チベットの洞窟から発見されたデニソワ人のDNAがアジア初期の人類の歴史を変えるかもしれない (3/4ページ)

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 当時は世界にはすでに、ネアンデルタール人やデニソワ人、インドネシアで発見されたホビットのようなホモ・フローレシエンシスなど、さまざまな人類がいた。

 遺伝子研究が始まったおかげで、わたしたちのゲノムの中にある遺伝子を発見することができた。例えば、現在のチベット人は、高地でも生活できるデニソワ人の遺伝子をもっている。

「わたしたちのご先祖さまがアフリカを出て、オーストラリアへのルートをたどったとき、アジアのどこかでデニソワ人と出会って交配し、その遺伝子情報をそのまま運んだのです」オーストラリア、ウロンゴン大学のボー・リー教授は言う。

 現在では、さまざまなに枝分かれしていた初期の人類は皆、滅んでしまっている。

 「なぜ、人類のほかの祖先は皆、絶滅してしまったのに、わたしたちホモ・サピエンスは現在も生き残っているのでしょう? なにが、わたしたちをそんなに特別な存在にしているのでしょうか?」ウェスタウェイ准教授は問いかける。

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発掘現場 image by:

・堆積物からデニソワ人のDNAを抽出

 16万年以上前の顎の骨の破片は、標高3280メートルの崖にあるバイシヤ・カルスト洞窟から見つかった。

 ここは仏教僧の聖地であるため、考古学者の立ち入りは年にほんの数日だけ、しかも、気温が氷点下18℃にまで下がる冬の夜間だけしか許されない。

 今年始め、リー教授のチームが、凍りついた洞窟での発掘を始め、ガゼル、キツネ、野牛など動物のおびただしい数の骨を発掘した。さらに荒削りの石器も見つかったが、人間の遺骨はなかった。

 だが、化石は必要なかった。人類は移動した先あちこちでDNA、唾液、皮膚の断片、排泄物を残していた。長い時間がたっても、凍土のおかげでDNAが残っている可能性があった。
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