アスリートのパフォーマンスを高める「スポーツマッサージ」とは? (2/2ページ)
アスリートといっても、専属トレーナーやチーム付のトレーナーがいない方の方が多いので、お互いにケアしあうというのが大事だと思います。
――スポーツトレーナーを目指す方が読めば大体のことはわかる、ということでしょうか?
田渕:あくまでこの本は「入り口」と捉えていただきたいです。本を読んで全てがわかるわけではないので。人間の体は写真や言葉だけでは伝わらない部分も多いので、本を読んで、実践してみて、それでもわからないことは教えを請いにいくということをやってみていただきたいです。
これからスポーツトレーナーを目指す方に、どういうことを身につけにいくのかという目的意識を持っていただくきっかけになればいいと思っています。
――スポーツマッサージは通常のマッサージとは異なると書かれていました。スポーツマッサージにおいて重視すべきことについて教えていただければと思います。
田渕:アスリートの方は、その日によって体調の変化を敏感に感じとるものです。体の痛みはもちろん「この箇所がオーバーユースになっている」といったことです。試合があったとか、ハードなトレーニングをしたといったことでも変わってきます。
施術者はそれを把握して、状況に合った手技を行うのが、通常のマッサージとスポーツマッサージの違うところです。手技については、具体的には、筋肉の表面だけでなくて深層の部分にある筋肉にアプローチしていくのが、通常のマッサージとは違います。
――すぐれた施術者は、体を触るだけで相手の状態がわかるのでしょうか。
田渕:わかります。体の張りだとか、関節の可動域を見るとわかります。アスリート本人が自覚していない張りも見つけることがありますね。
アスリート本人は、一番痛い場所や、一番張っている場所については自分でもわかるのですが、二番目、三番目についてはなかなかわかりません。そういうところが次のケガの原因になったりするものですから、早期に発見することが大事なんです。
――では、優秀なスポーツトレーナーとそうでないスポーツトレーナーの違いは、相手の状態を把握する能力にあるということになるのでしょうか?
田渕:それはあるでしょうね。相手との相性もあるので一概にはいえないのですが、今の相手にとってベストの手技を選択するには、やはり相手の状態や気持ちをわかっていないといけないので。
(後編につづく)