「また」起こった修復失敗騒動 なぜスペインで頻発するのか? (1/2ページ)

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 スペインで衝撃的な彫刻の写真が登場し、世界中で注目を集める事態となった。
 こちらはスペインのバレンシア市に存在する銀行の一角。1923年の建築当初、ここには美しい女性の彫刻が施されていたのだが、1世紀近くの時の流れで風化し、顔がほとんどなくなってしまっていた。そこで修復がなされたそうなのだが…結果は似ても似つかない、ほほえみをたたえた女性の面影はまるで見られないありさまになってしまったのだ。

 この彫刻は地元の画家であるアントニオ・グスマン・カペル氏が発見し、自身のFacebookで紹介したもの。彼は「まるでマンガのような仕上がりになっている」とコメントし、素人による粗雑な修復に費用がかけられたであろう事実を嘆いていた。

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 この修復結果で再び注目が集まったのが、2012年に報道された悪名高き「猿のイエス」の修復事件だろう。教会に描かれていたイエス・キリストのフレスコ画を地元の女性が修復したところ、まったく美術の心得がなかったために似ても似つかぬ修復結果になってしまったというもの。こちらの修復は世界的に話題になった結果、観光名所にまでなってしまったが、その後もスペインでの「改悪」修復は相次いでいる。

 なぜ、スペインではこのように残念な修復が行われてしまうのか。スペインの美術保全協会(ACRE)によれば、保全や修復を専門とする人々が仕事に恵まれず、海外へ出てしまったり廃業するなど、どんどん人手が減っているという。

 さらにスペインを襲っている経済悪化や、新型コロナウイルスによる経済自粛も専門の職人の廃業に拍車をかけているそう。一方で素人とはいえ本人の熱意ある申し込みを断りきれなかったり、専門の修復家に依頼するよりも安価で済むからと素人の申し出をそのまま受けてしまった結果、とんでもない修復結果が生まれてしまうことになるようだ。

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