3期生が「先輩メンバーの歌い踊るさま」を継承するドラマを描いた「僕の衝動」の未来志向【乃木坂46「個人PVという実験場」第14回2/4】 (2/3ページ)

日刊大衆

 自然豊かな土地に暮らしアナログな営為で生計を立てる「未来」の人々と、村の娘たちの目の前に浮かび上がるスクリーンという「過去」の遺物の対照を肝に、クライマックスにはCGを駆使して巨大な異物が起動するさまを描き、思わぬ結末へと突入する。本作は荒船の乃木坂46初MVにして、すでに彼の作家性が強く浮かび上がる作品になっている。

 重要なのは、当時実働1年目の3期メンバーたちにあてられたこの作品において、「踊りが過去から未来へと伝承される」さまがストーリーの中核を担っていることだ。そしてMV中、与田が携帯端末を通じて周囲の娘たちに見せる、古の人々の歌い踊るさまとは、まさに乃木坂46の先輩メンバーたちがライブパフォーマンスをしている映像である。『僕の衝動』は、乃木坂46の伝統といえるドラマ型MVの継承であると同時に、1・2期生によって紡がれたグループの歴史を、未来へと受け渡す志向を持った作品だった。

■怪異との共存にとどまろうとする山下美月

 その3期メンバーの個人PVを荒船が担当するのは翌2018年、20枚目シングル『シンクロニシティ』に収録された山下美月主演「さよならポルターガイスト」である。

https://www.youtube.com/watch?v=EPx8Dl5gLtU
(※山下美月個人PV「さよならポルターガイスト」予告編)

 高校生活を送る主人公(山下)の周囲に巻き起こるポルターガイスト現象。学校の教師(吉増裕士)が山下と面談をしながら、ポルターガイストの原因を探ろうとする。

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