ワキでも光る『姉ちゃんの恋人』キンプリ髙橋海人の「あふれる才能」
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藤木直人
ドラマ『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)に出演中の、King&Prince 高橋海人(21)が演じる和輝が、姉ちゃんの好きな人に接近してきた。姉ちゃんの恋を応援しつつ、自分の恋を着々と進展させる和輝に注目したい。
気が付けば、和輝はみゆき(奈緒/25)と距離を縮めているようで、2話と3話で訪れたカフェに限らずフルーツパーラーで会っていたり、携帯のメッセージで頻繁に連絡を取り合ったりしているようだ。着々と進展させているところが和輝らしいというか、髙橋本人らしくてくすぐったい気持ちにさせられる。
■抜け目ない和輝は髙橋本人に通じるものがある
和輝はフルーツパーラーで、みゆきに「結婚しても安心できる感じだよ、俺って」と話すのだが、いきなり結婚をチラつかせてきた和輝にみゆきは戸惑ってしまう。みゆきはすかさず「そういうことは軽々しく口にするもんじゃありません」とたしなめるのだが、付き合って間もない年下のイケメン彼氏に、それも幼馴染の親友の弟で、社会の歪みや汚れを知らない大学生にサラッと言われたら、困ってしまうだろう。そして、こういう遠回しなみゆきの感情を理解することなく、みゆきを想ってデレデレしてしまう和輝が微笑ましい。
髙橋自身にも、King&Princeで活動している際に似たようなことがあった。例えば、2018年紅白歌合戦の記者会見に出席する際のスタッフとの打合せで、記者に向けて挨拶をすることを「(代表者のみでなく)みんな絶対しゃべんなきゃいけないの?」とつぶやくように聞いて、メンバーの平野紫耀(23)に「(光栄なことなのに)悪い子だな、お前は」と軽くたしなめられるのだが、グループでは最年少で末っ子の髙橋らしい甘え方だなと思わせたシーンだった。その場で感じたことを、隠すことなく伝えることができる素直さに、憎めない、むしろ可愛いと思わせてしまう力があるのは、共通した個性に見える。
■コミュニケーション力の高さが生み出す出会いに注目
家族である姉ちゃん・桃子(有村架純/27)の好きな人と仲良くなるなど、そうないことだと思うのだが、安達家の3兄弟には壁がないからあり得てしまう。河川敷でキャッチボールをしているところで、姉ちゃんの好きな人・吉岡(林遣都/29)に会うのだが、隠れもせず、バレていたことを詫び、ジュースを飲みながらお話してしまうなど、コミュニケーション力が非常に高い。これは偶然の機会だったが、吉岡と顔見知りになるきっかけを描いた重要なシーンで、とうとう本筋に安達3兄弟が絡んできたのだ。
姉ちゃんが『生きていく上で必要なのは衣食住だと教えてくれたから』と、和輝は食品業界を志望し、次男・優輝(日向亘/16)は建設業界、三男・朝輝(南出凌嘉/15)は中学生ということもありまだ決めかねている、といった様子だ。
ところで吉岡は、以前食品会社に勤務していたエリートだったわけだが、和輝が食品業界を志望していることを聞いて少々戸惑いを見せた。吉岡の中で見えない接点が複数出来たことが今後に生かされるかもしれない、そんな小さな伏線を感じさせた。
そして、実際、次の7話予告映像で、姉ちゃんをよろしくと吉岡にクギを刺しに行く和輝の様子が描かれていた。姉ちゃんを想う弟たちの願いを、和輝がどう表現するのか楽しみである。
■アイドルスマイル全開だけど、脇役なのがいい
弟3人で夕食の準備をしていることろに、姉ちゃんが泣いて帰宅したことを悟り心配になった際、不自然な弟2人に対して笑顔の見本を見せる和輝。
その笑顔に、朝輝から「アイドルか」とツッコミをされるのだが、実際に和輝を演じる髙橋は立派なアイドルとして活動をしているのだ。ジャニーズ事務所の人気アイドルグループに所属し、音楽CDのハーフミリオン記録をいくつも持っている。少女漫画家として連載も持ち、舞台や映画の出演経験をいくつも持つマルチな才能があるのだ。
それでも『姉ちゃんの恋人』では、いち俳優だ。アイドルだからと特別扱いせず、台詞の量や登場シーン数に違和感がない。当たり前のことなのだが、あくまで脇役なのだ。そして、その脇役として光っているのがいい。こういう作品に出演して、役として生きて存在していることに感謝したい。
(文・青石 爽)
『姉ちゃんの恋人』は、2019年に紫綬褒章を受章した岡田惠和氏によるオリジナル脚本。安達桃子(有村架純)は年の離れた3人の弟たちを立派に育てるため、一生懸命に日々を過ごしている一家の大黒柱。長男・和輝(髙橋海人)は農学部に通う大学生、次男は高校生、三男は中学生、全員明るくて仲の良い家族だ。そんな桃子が職場で出会った吉岡真人(林遣都)に恋をすることで、身近にある幸せを感じたり、家族や人とのつながりの大切さを感じる、ラブ&ホームコメディードラマである。