宮本茉由「武井壮に憧れる女優」の“不思議ちゃん”じゃない不思議なライン
テレビの中の女たちvol.38宮本茉由
「不思議ちゃん」というカテゴリがある。正確な意味がよくわからないのでネットで検索したら、服装のセンスが独特だったり、マイペースだったり、妖精や小人が見えるといったり、独特の世界観をもっている女性を指すとの説明が並ぶ。あと、手相芸人の島田秀平が「不思議ちゃん線」なる手相を提唱しているようだ。「ナイチンゲール線」に似ているらしい。よくわからないけれど、商魂たくましい。
そんな「不思議ちゃん」に向けられる視線のひとつに、「どうせキャラでしょ」というのがあると思う。もちろんすべてを「キャラ」と片付けるのは乱暴だとしても、そこには大なり小なりある程度の本人やその周囲の作為はあるのだろう。生き馬の目を抜く芸能界。手相芸人ならずとも、そこにはたくましい商魂があるのだ。
さて、4日の『アウト×デラックス』(フジテレビ系)に登場したのは宮本茉由。現在、ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)に鑑識役で出演している売り出し中の女優だ。新人なので私もよく知らないのだけれど、番組で紹介されたところによると、2016年に21歳で『CanCam』の専属モデルに抜擢され、2018年に女優デビューしたらしい。
そんな彼女は言う。
「キングは、ホントにシミュレーションが一番大切だと思うんで、私もシミュレーションする人としては、その界隈では尊敬する方だと思います」
彼女が「キング」と呼ぶのは武井壮。百獣の王として知られ、動物を倒す方法をシミュレーションするネタで2010年代前半に世間の前に現れたタレントの武井だ。宮本は尊敬する武井に近づくため、日頃から危険生物の対処法を調べたり、いつ襲われても倒せるように準備しているらしい。
宮本は「キング」の凄さを力説する。
「キングってすべてのところで戦っていて、最近YouTubeを始められたんですけど、YouTubeってタンクトップとか露出が多い服だと凍結されちゃうんですよ。でもそこでもやっぱりギリギリの戦いで攻めてるっていうのが、やっぱりカッコいいなと」
「武井さんって天パなんですよ。だから、朝のセットの時間に1時間かけてる。女性でもかからないぐらいの時間をかけてセットしてる」
早くも動物との戦いではなく、Googleや髪質との戦いの面からキング武井を称える宮本。これには矢部浩之(ナインティナイン)も「ちょっと待って、イジってへん?」とツッコミを入れる。彼女はこの指摘に少し口元を緩ませるが、表情はいたってクールだ。
彼女のトークは続く。武井にならって脳内での戦闘シミュレーションを欠かさない宮本。クマやワニ、サメに出会ったときの戦い方に加え、ゾンビとの戦闘も映画などを見てシミュレーション済みだという。
「ゾンビって脳幹、脳の中が急所なんですよ。脳を刺さないといけないので、ナイフとかを所持して、男性は力が強いから頭蓋骨を貫通できると思うんですけど、女性は弱いからできないから、首の下から狙うっていう、この練習をしてますね」
なぜ宮本はゾンビの倒し方を想像するのか。それは、自分だけのためではない。この世が「ゾンビの世界」になったとき、多くの人たちに助かってほしいからだという。彼女いわく、ゾンビの世界になる日はすぐそばまで近づいている。「いつぐらいですか?」と問われると、宮本はこう答えた。
「2~3年とか」
そんな宮本は、おそらく大きく分けると「不思議ちゃん」のカテゴリに入るのだろう。ただ、表情はクールで服装も清楚。普通の女優のようでいながら少しだけズレたことをいう姿は、典型的な「不思議ちゃん」のようでもない。
もちろん、真顔でおかしなことを言うというのは「不思議ちゃん」の規定演技だが、そこで語られる“おかしなこと”は「武井壮に憧れている」というあまり飛びすぎていない絶妙な内容。かといって、ゾンビ来襲が近いという飛びすぎた発言も同時にする。
「不思議ちゃん」のようでそこにきれいに収まる感じがしない。だからだろうか、「どうせキャラでしょ」というツッコミをするりと抜けていきそうな感もある。不思議な佇まいで、不思議なラインをついてくる宮本。ひとまず私の中では、「不思議ちゃん」というよりも、「不思議なラインをついてくる子ちゃん」のフォルダの中に入れておこうと思う。
(文・飲用てれび)
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